【3月6日 AFP】J・D・バンス米副大統領は5日、ドナルド・トランプ大統領が前日の議会演説で麻薬カルテルとの戦いを宣言したのを受け、メキシコが「麻薬国家」になるのを防ぐことになるとして、同国にも恩恵がもたらされるとの考えを示した。

バンス氏はテキサス州の国境の町イーグルパスをピート・ヘグセス国防長官、トゥルシ・ギャバード国家情報長官とともに訪れ、不法移民の撲滅と、ギャングをテロ組織として指定することに焦点を合わせた政権の取り組みについて、米国への麻薬流入を阻止するのが主目的だと説明。

その一方で、「実際には、彼(トランプ氏)はメキシコの人々に多大な恩恵をもたらすことになると思う。なぜなら、麻薬カルテルを制圧しなければ、自国政府よりもカルテルが力を持つ『麻薬国家』で人々は目を覚ますことになるからだ」と述べた。

バンス氏は、取り締まりのため米軍がメキシコ領に入ることはないと語ったが、「メキシコへの派遣についてはきょうここでは何も発表しない」と付言。「大統領がメガホンを持っており、必要と感じた時に話すだろう」と述べ、軍部隊派遣にも含みを持たせた。

また、麻薬ギャングは現在、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」と同列の「テロリスト」として分類されていると指摘した。

トランプ氏は前日、「(メキシコの麻薬)カルテルは米国で戦争を仕掛けてきており、米国もカルテルと戦う時がきた」と宣言した。(c)AFP