レソト、トランプ氏の「誰も聞いたことがない国」発言に困惑
【3月6日 AFP】アフリカ南部レソトのレジョネ・ムポチョワネ外務・国際関係相は5日、ドナルド・トランプ米大統領が施政方針演説でレソトを「誰も聞いたことがない国」と嘲笑したことに「驚き、困惑」していると述べた。
レソトは南アフリカに四方を囲まれた小さな王国で、人口は230万人。
トランプ氏は演説で対外援助の大幅削減を正当化する際、過去のプロジェクトではレソトでの性的少数者(LGBTQI+)支援に800万ドル(約12億円)を拠出したと主張。「誰も聞いたことがない国だ」と続けると、共和党員らの間で笑いが起きた。
ムポチョワネ氏はAFPに対し、レソト政府はトランプ氏の発言に「驚き、困惑している」「国家元首が他の主権国家をあのような形で呼ぶとは予想だにしていなかった」と語った。
続けて「われわれはこの問題を軽視していない」として、正式に抗議の書簡を送る方針を示した。
米国はレソトの首都マセルに大使館を置き、開発途上国にボランティアを派遣する「平和部隊」プログラムも同国で実施している。
レソトのジャーナリストで活動家のカナネロ・ボロエツェ氏は、「天空の王国を聞いたことがないって? ゴルフばかりしていて気付かないのだろう」とX(旧ツイッター)に投稿。
「レソトは全土が標高1000メートル以上にある世界で唯一の国だ。あなたの支持率よりも高い」「私たちはこの国にいることに誇りを持っている。あなたのジョークのネタではない」と続けた。(c)AFP
グリーンランド、トランプ氏の併合案を改めて拒否
【3月6日 AFP】デンマーク自治領グリーンランドの首相は5日、ドナルド・トランプ大統領が施政方針演説で同島を「是が非でも」手に入れると誓ったことに反論し、島民は米国ともデンマークとも未来を共にするつもりはないと主張した。
トランプ氏は4日、米連邦議会の上下両院合同会議で演説し、鉱物資源が豊富で戦略的に重要なグリーンランドを併合する拡張主義的な野心を改めて示した。
グリーンランドのムテ・エーエデ首相はこれを拒否し、「われわれは米国人にもデンマーク人にもなりたくない。われわれはグリーンランド人だ。米国人とその指導者はそれを理解しなければならない」とフェイスブックに投稿。
「われわれは売り物ではなく、奪取されるわけにはいかない。われわれの未来はグリーンランドにいるわれわれ自身が決める」と語った。同島は議会選挙を6日後に控え、選挙では長年の独立問題が議題の最優先事項となっている。
トランプ氏は演説で世界情勢についてはほとんど触れず、不法移民の取り締まりや政府支出の削減などの国内の目標に焦点を当てた。
一方で、グリーンランドを手に入れると繰り返し表明。グリーンランドの「素晴らしい人々」にメッセージを送ったとして、「われわれはあなたたちが自分の未来を決める権利を強く支持し、もし望むなら米国に迎え入れる」と述べた。
しかし、説得が失敗しても諦めないことを明確にし、「是が非でもわれわれはそれを手に入れる」と語った。(c)AFP
グリーンランドのムテ・エーエデ首相;画像はネットから借用
トランプ氏が運河めぐり「うそ」 パナマ大統領
【3月6日 AFP】中米パナマのホセ・ラウル・ムリノ大統領は5日、ドナルド・トランプ米大統領がパナマ運河の米国への返還が始まったと述べたのを受け、同氏が「うそ」をついていると批判した。
ムリノ氏はX(旧ツイッター)に「トランプ氏がまたうそをついている。パナマ運河は返還の途上にはない」と投稿。
「パナマとその全国民を代表して、真実と、わが国の尊厳に対する新たな侮辱を拒絶する」と続けた。
トランプ氏は4日、議会での演説で、「国家安全保障をさらに強化するため、わが政権はパナマ運河を取り戻す予定で、既に着手している」「運河を取り戻す」と述べていた。(c)AFP
中米パナマのホセ・ラウル・ムリノ大統領;画像はネットから借用
麻薬カルテルとの「戦い」はメキシコにも恩恵 バンス米副大統領
【3月6日 AFP】J・D・バンス米副大統領は5日、ドナルド・トランプ大統領が前日の議会演説で麻薬カルテルとの戦いを宣言したのを受け、メキシコが「麻薬国家」になるのを防ぐことになるとして、同国にも恩恵がもたらされるとの考えを示した。
バンス氏はテキサス州の国境の町イーグルパスをピート・ヘグセス国防長官、トゥルシ・ギャバード国家情報長官とともに訪れ、不法移民の撲滅と、ギャングをテロ組織として指定することに焦点を合わせた政権の取り組みについて、米国への麻薬流入を阻止するのが主目的だと説明。
その一方で、「実際には、彼(トランプ氏)はメキシコの人々に多大な恩恵をもたらすことになると思う。なぜなら、麻薬カルテルを制圧しなければ、自国政府よりもカルテルが力を持つ『麻薬国家』で人々は目を覚ますことになるからだ」と述べた。
バンス氏は、取り締まりのため米軍がメキシコ領に入ることはないと語ったが、「メキシコへの派遣についてはきょうここでは何も発表しない」と付言。「大統領がメガホンを持っており、必要と感じた時に話すだろう」と述べ、軍部隊派遣にも含みを持たせた。
また、麻薬ギャングは現在、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」と同列の「テロリスト」として分類されていると指摘した。
トランプ氏は前日、「(メキシコの麻薬)カルテルは米国で戦争を仕掛けてきており、米国もカルテルと戦う時がきた」と宣言した。(c)AFP
