【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は1日の記者会見で、世界全体で6週続けて減少してきた1週間当たりの新型コロナウイルスの新規感染者が、先週は増加に転じたと明らかにした。日本を含むWHO西太平洋地域事務局管内と、サハラ以南のアフリカを除き、増加が確認された。

 今年に入り感染者の減少傾向が続いたことで、移動制限などを緩和する国も出ている。テドロス氏は感染者増加について「残念なことだが驚くべきことではない」と指摘。「ワクチンだけに頼るなら、その国は間違いを犯している」と述べ、対人距離の確保や手指消毒など、基本動作の徹底を改めて訴えた。

岐阜の病院クラスター 全病棟に拡大、225人に 原因究明急ぐ

スタッフや患者ら200人以上の新型コロナウイルス感染が明らかになった木沢記念病院=岐阜県美濃加茂市古井町で2021年2月27日、黒詰拓也撮影拡大
スタッフや患者ら200人以上の新型コロナウイルス感染が明らかになった木沢記念病院=岐阜県美濃加茂市古井町で2021年2月27日、黒詰拓也撮影

 岐阜県内に出ていた新型コロナウイルスの緊急事態宣言は1日、解除されたが、医師や看護師、患者のコロナ感染が判明した木沢記念病院(美濃加茂市古井(こび)町・452床)では、全国的にも有数な規模となった「病院クラスター(感染者集団)」が収束していない。2月25日現在で計225人の感染が確認され、亡くなった人も複数いる。原因究明とさらなる対策が求められている。【黒詰拓也】

 病院で最初に感染者が確認されたのは2月2日。医師や入院患者ら16人の感染が分かり、接触者を中心にPCR検査(遺伝子検査)を進めたところ、新規陽性が連日判明し、全11病棟に感染が広がっていた。感染者225人のうち、医師や看護師ら職員は92人、患者は94人、患者の家族らが39人。患者94人のうち13人は、退院した後に検査を受けて陽性となった。病院は2日から救急患者、8日から新規外来患者の受け入れを停止している。