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学問の自由をわきまえない菅政権は中世の暗黒国家か 公開日:2020/10/04 06:00 小林節   日刊ゲンダイ

2020年10月04日 10時53分56秒 | 菅政権
公開日: 更新日:
 
 かつて大日本帝国では、天皇を「神」と崇めた政治的風潮が、天皇は国家という法人の一「機関」だと当たり前な説明をした東大教授を、不敬だとしてその地位から追放してしまった。そして、「皇国には神風が吹く」などという非科学的な思い込みで大戦に突入して惨敗に至った。古くは、地動説(真理)を支持したイタリアの物理学者ガリレオ・ガリレイが政治的宗教裁判により学説の放棄を命じられた話が有名である。
 
科学者は、客観的な事実と論理のみに基づいて物事の「因果関係」を明らかにすることにより、文明の進歩つまり人類の幸福の増進に貢献することを使命とする者である。

 歴史的には、自分の野望の妨げになると考えた政治権力者、大資本家、商売宗教家から科学者が弾圧された事例は枚挙にいとまがない。
 
 そのような体験から、欧米において人権としても「学問の自由」が確立され、日本国憲法にも導入された。

 だから、政治権力は学問の自由に介入してはならない。つまり、政治は学説の故に学者の扱いに差をつけてはならない……という憲法原則が存在することを忘れてはならない。
 
 今回、菅首相は、学者の中央機関である日本学術会議の新会員候補として同会議から推薦された105人のうち6人だけを任命しなかった。制度上は、任命権者は首相である。しかし、それは同会議の権威性を確認するために形式的に首相による任命と定めてあるだけで、首相に「拒否権」があるわけではない。現にこれまでの首相は一貫して被推薦者を機械的に任命してきた。

 首相は拒否の理由を説明していないが、その拒否された6人は安保法制や共謀罪に反対してきた人々である。これこそまさに政治権力による学説差別の典型であろう。

 学問的実績の高い学者が学問的良心に従って政権からの提案に異を唱えたら権力を使って不利益処分を下す。これは、現代の踏み絵であり、中世の暗黒国家のようである。

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