籠池夫妻 大阪高裁判決で大荒れ法廷「とんでもない人間だ。不当な裁判だ」裁判長を叱責
2022/4/18 スポニチアネックス
学校法人・森友学園の補助金詐取事件で、国や大阪府、大阪市の補助金計約1億7千万円をだまし取ったとして、詐欺などの罪に問われた同学園理事長の籠池泰典被告(69)、妻の諄子(じゅんこ)被告(65)の控訴審判決で、大阪高裁(西田真基裁判長)は18日、泰典被告に懲役5年、諄子被告に懲役2年6月を言い渡した。両被告側は即日上告。4時間にわたる判決理由の説明の後、退廷する際に泰典氏は西田裁判長に向かい「とんでもない人間だ。不当な裁判だ」と厳しく叱責。傍聴席から「(証人の)名前を4人も間違ってる。調べてないから、読み上げてるだけでしょ。検察が持ってる証拠を出してください」と大声で発する籠池氏の娘2人に西田裁判長が退廷を命じるなど、大荒れの法廷となった。
20年2月、1審の大阪地裁は泰典被告に懲役5年、諄子被告は一部を無罪として同3年・執行猶予5年を言い渡した。泰典被告が国や府、市の補助金をだまし取る意図があったか、さらに諄子被告の関与の有無が争点で、検察、弁護側がともに控訴。この日は冒頭で主文が言い渡され、泰典氏は控訴棄却に。一方の諄子氏は2年6月と半年間刑期短縮されたが執行猶予が取り消された。「異例。なんで短縮なのかの理由説明もなかった」と泰典氏は憮然。さらに裁判後の会見で「検察の主張を補強するような判決。横暴だ。ちゃぶ台をひっくり返すような判決にあきれた」と裁判をぶった切った。
「ぼったくり発言の録音テープも、調べたら改ざんされたもの。転勤された武田裁判官が家内に尋問したことも全てなしにした。陪席が替わった。西田裁判長が1人の持論でこの事件を封印しようとした」と声を荒げ「森友学園事件の、安倍首相、夫人などの問題をどこかへやって、籠池裁判を大阪府補助金、サステナブルだけにして有罪にする。検察の威信をかけてというより、森友事件をどうしても封印したいというもの」と元首相への忖度ありきの不当判決であることを力説した。
2人は控訴審で、だまし取ろうという犯意がなかったとして全面的に無罪を主張。検察側は府や市の補助金について、両被告の共謀を改めて主張した。諄子氏は「私は無罪だと思ってます。政府が裁判に介入してる。こんな司法のやり方でたくさんの冤罪(被害者)の方がいる」と司法への不信感を改めて口にした。
会見後、泰典氏は裁判所を後にする際にお得意の一句。「裁判所 夕闇中に 黄昏れて」と詠みニヤリ。「最高裁、頑張ってきますよ」と言葉に力を込めた。