今年は荒れたクリスマスになりそうだ。気象庁が22日発表した「全般気象情報」によると、今週末の25日から27日ごろにかけて、北日本から西日本の日本海側を中心に荒れた天気や大雪となる恐れがある。原因は12月史上最強とも言われる“大寒波”。一体、何が起きているのか。

 気象庁が早くもクリスマス以降の注意を呼び掛けたのは、それだけ危機感が強い表れだ。東京都内も26日からグッと冷え込む予想で、最高気温が6〜11度、最低気温が0〜1度の日が29日まで続くとみられている。

 なぜ、師走最強とも言われる寒波が襲来するのか。気象予報士の三ケ尻知子氏(ウェザーマップ所属)がこう解説する。

「上空3000メートル付近の気温がマイナス20度以下だと大雪になると言われ、現状はマイナス20度をかなり下回っています。例年12月は北海道ぐらいまでしか来ない強い寒気が、今年は九州の方まで流れ込んでいる状況です。冬の初めの12月にしては珍しいほど強い寒気が流れ込んだために、『12月史上最強』と言われています。1月と2月も合わせれば『最強クラス』ではないものの、1年に数回あるかないかの寒気です。大きな原因が、北極付近で寒気をため込んだり、放出したりする『北極振動』です。北極付近が寒気を放出して日本が寒くなる『負の北極振動』と言われる現象が起き、北極から日本に寒気が流れ込んでいます」

■北極振動とラニーニャ現象

 そもそも、「今年の冬は寒くなる」と言われていた。その原因が「ラニーニャ現象」だ。

「ラニーニャ現象が発生すると、日本付近で西から東に吹く偏西風が南に蛇行し、その影響で北側の寒気が日本列島に流れ込みやすくなります。そこに『北極振動』が加わり、北極からの寒気が西日本の方まで入ってきているのです。気象庁が警鐘を鳴らしているように、クリスマス以降は、いわゆる“ドカ雪”に注意が必要です。今年1月、大雪で大規模な立ち往生が発生した北陸自動車道と同じ状況があるかもしれません。北陸や東北だけでなく、近畿や山陰、九州などの西日本も、あまり経験のない大雪に見舞われる恐れがあります」(三ケ尻知子氏)

 今から備えておいた方がよさそうだ。

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