岸田首相が来年1月4日から米ニューヨークで開かれる核軍縮や核不拡散を議論する核拡散防止条約(NPT)再検討会議に出席し、演説する方向で検討していることがわかった。首脳の参加は異例で、日本の首相が出席すれば初めてとなる。

 複数の政府関係者が明らかにした。訪問日程は1月4~6日を軸に調整している。首相は、「核兵器なき世界」に向けた取り組みを「ライフワーク」と公言し、特に核保有国と非保有国が共に参加する再検討会議を重視している。演説では、核兵器のない世界を実現するための工程を示す構想を発表したい考えだ。

 ただ、米国では新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、今後の感染状況によっては、中止となる可能性もある。

 首相は当初、再検討会議に合わせ、ワシントンも訪問し、バイデン米大統領と初の正式な会談を行うことも模索したが、米側と調整がつかなかった。

 訪米直後にオーストラリアを訪れ、モリソン首相と会談する案も出ている。実現すれば、相手部隊を自国に受け入れる際の「円滑化協定」締結に向けた協議の加速など、防衛分野での連携強化を確認する見通しだ。