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自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信:感染後のウイルス排出期間(2022年7月21日)、他

2022年07月28日 16時43分09秒 | 感染症

山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

感染後のウイルス排出期間(2022年7月21日)

新型コロナウイルスに感染後、感染性のウイルスが消えるまで何日くらいかかるかは非常に重要な問題です。
New England Journal of Medicine誌で7月21日に報告された論文
Duration of Shedding of Culturable Virus in SARS-CoV-2 Omicron (BA.1) Infection | NEJM
ではデルタ株とオミクロン株に感染した人(それぞれ32名と34名)において、感染性のウイルスが検出されなくなるまでの日数とPCRが陰性になるまでの日数を比較しています(表)。
これによると、PCRで陽性が確定した後、感染性のウイルスが検出されなくなるまでの期間は、デルタ株が平均4日、オミクロン株が5日で、統計学的な有意差はありませんでした。
PCRが陰性になるまでの期間は、それぞれ10日と11日で、やはり統計的な有意差はありません。
またワクチン接種の有無による違いも認められていません(図)。
ただ、人によるばらつきが多く、表に示されているIQRとは、被験者の50%の人の範囲を示しており、残りの50%はこれより短い、もしくは長い結果でした。15日後においては、感染性ウイルスが検出された人はいませんでした(図)
従来型のウイルスに関しては、国立感染研がエビデンスのまとめを昨年2月18日に公表しています。軽症・中等症においては、発症10日目以降の症例からの感染のリスクは低いことが示唆されています。
図 感染後のウイルス持続期間(デルタ株とオミクロン株の比較)
図 ワクチン接種歴ごとの感染性ウイルス検出期間

日本でもすでに大部分がBA.5株か(2022年7月21日)

国立感染研の鈴木教授が7月21日に厚生労働省第91回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードに提出した資料
000967346.pdf (mhlw.go.jp)
において、6月までの実績値を元に7月以降の変異株の推移を予測しています。これによると、全国で見ると7月21日の段階でBA.5株が96%を占めていると推定されます(図1)。関東の1都3県では99%、関西の2府1県では91%と推定されています。8月初めには全国的にほぼ100%になると推定されています。
一方、京都大学の西浦教授が同アドバイザリーボードに提出した資料
000967347.pdf (mhlw.go.jp)
によると、東京都においては7月20日段階で、BA4およびBA.5株が92%を占めていると推定しています(図2)。

アドバイザリーボード資料
新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料等(第81回以降)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
図1 鈴木教授の予測
図2 西浦教授の予測

アメリカやドイツでBA.5株が主流に(2022年7月20日)

アメリカやドイツではオミクロン株の亜型であるBA.5株が新規感染者の大部分を占めています(図1,2)。
イギリスにおいては、BA.4やBA.5株は認められていますが、依然、BA.2株が主流となっています。
日本では最新のデータは公表されていませんが、東京都では6月において既にBA.5株の増加が認められており、米独の状況から推定するとすでにBA.5株が主流になっている可能性があります(図3)。
吉村知事の記者発表によると、7月17日現在で大阪府では新規陽性者の約60%をBA.5またはBA.4株が占めています。
吉村記事の会見
報道によると、国立感染研は7月21日に厚労省の専門家組織会合において、BA.5株が全国ですでに96%占めていると報告したということです。
新型コロナ“今後も過去最多感染者数の更新予想” 専門家会合|NHK

ドイツではBA.5株への置換わりに伴い、感染者数が再増加しました。一方、アメリカではBA.5株への置換わりにも関わらず感染者数は急増していません(図4)。
日本では感染者が急増し、人口当たりではアメリカやイギリスを上回っています(図4)。アメリカの状況から考えるとBA.5株への置換わりだけでは説明できないかもしれません。人口当たりの死者数は欧米より低い状況が続いています。

出典

アメリカCDCによる変異株の推移
CDC COVID Data Tracker: Variant Proportions

ドイツ・ロバートコッホ研究所の新型コロナウイルス情報
RKI - コロナウイルスSARS-CoV-2 - 現在の状況レポート、週次レポート、COVID-19の傾向が一目でわかる
ロバートコッホ研究所の週報(7月14日版、ドイツ語)
COVID-19 Wochenbericht 14.7.2022 (rki.de)

イギリスにおける変異株の状況
COVID-19 variants: genomically confirmed case numbers - GOV.UK (www.gov.uk)

東京都による変異株情報
変異株について 東京都福祉保健局 (tokyo.lg.jp)
7月14日現在の状況
ゲノム解析結果の推移

世界各国の感染者数、死者数
Coronavirus Pandemic (COVID-19) - Our World in Data

秋の追加接種はBA.5対応ワクチン?

アメリカでワクチン等、医薬品の審査をする食品医薬局(FDA)は、6月30日の専門家による会合において、ファイザーとモデルナの2社に対して、同社が開発中のオミクロン株(BA.1株)対応ワクチンに、BA.4株やBA.5株で認められる変異に対する対応も追加するように推奨しました。
これは同28日のFDAアドバイザー会議に両社から提出された臨床データ(ファイザー社データモデルナ社データ)に基づいた議論の結果です。

我が国においても、厚生労働省は、秋の追加接種についてオミクロン対応ワクチンを検討するよう、7月22日開催された専門家によるワクチン分科会諮問しています。

一方、FDAの専門家会合では異論もあったようです。主な反対意見は、オミクロン対応の効果が小さいことや、秋にはBA.5以外の株が主体となる可能性が高いことであったようです。
これまでの主な変異株を振り返ると、デルタ型は、アルファ型やオミクロン型とはかなり離れています(図)。秋に主体となるウイルスがオミクロン型から派生するものか、デルタ型等の別のものかは、現時点での予測は難しいです。

図の出典
CoVariants: Variants
Nextstrain / ncov / gisaid / asia / 6m
 

ノババックス社製ワクチンの副反応(2022年7月24日)

日本で4番目に承認されたノババックス社製のワクチンは、ウイルスのたんぱく質を用いています。アメリカとメキシコの約2万人を対象とする臨床試験を報告した論文によると、発熱等の全身性の副反応は1回目よりも2回目接種後に多く認められています。しかし、発生頻度はファイザー社製やモデルナ社製のmRNAワクチンに比べると低いと報告されています。例えば2回目接種後の発熱は、7月4日に紹介したように、国内で、ファイザー社製で約35%、モデルナ社製で約70%で認められていますが、ノババックス社製では6%と報告されています

イギリスで約15000人を対象にして行われた臨床試験の報告においても、同様の結果が示されています。
図 ノババックス社製ワクチンの副反応

日本における副反応の報告(2022年7月4日)

初回接種(1,2回目)および3回目接種後の副反応について、国内の解析結果を厚労省が発表しています。
新型コロナワクチンの副反応について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

全身倦怠感、頭痛、発熱等の全身症状は、1回目接種後は稀ですが、2回目接種、3回目追加接種後は高頻度に認められています(図は発熱に関するデータ)。

初回接種(1,2回目、ファイザーおよびモデルナ社製)
000830259.pdf (mhlw.go.jp)
追加接種(初回接種はファイザー、追加接種はファイザーもしくはモデルナ社製)
000928717.pdf (mhlw.go.jp)

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