『「憧れ」の思想』 執行草舟 から取り急ぎいい言葉を抜粋:
■ 武士道とキリスト教に共通するのは、「野蛮性に裏打ちされた高貴性」
■ 内村鑑三 キリスト教は、武士道と同質のものである
■ 利口とは、損得に長けて、現世を賢く生き、現実の流れに身を委ねる生き方 水平的な生き方 物質的な生き方 肉体的な生き方
■ 愚かとは、人間の憧れだけに生き、人間精神の理想のために命を捨てる覚悟を持つ生き方 垂直の生き方 生命的な生き方 精神的な生き方
■ 垂直とは、勇気の別名である。
■ 信仰とは愚かなものなのである。しかし、その愚かなものが、あの偉大なヨーロッパを創った
■ ミケンランジェロの私生活は、禁欲そのものであった
■ 人間は、到達不可能な永遠に対して、愚かとも見える清らかさと純粋性を持ち続けるのか、それとも挫折をして利口になり現世に埋没して行くのかということに常に直面する。
この苦悩を持って回避する「楽」が、現代を覆っている
■ ゲーテ ただ憧れを知る人のみが、我が悩みを知り給う
■ エンリケ 航海をすることが必要なのだ、生きることは必要ではない
■ ジート 行為の善悪を判断せずに行うこと
善か悪かではなく、迷わずに愛すること
君に情熱を教えよう
平和な日を送るより悲痛な日を送ること
私は死の眠り以外の休息を願わない
■ ヴィヨン 泉のかたわらに立ちて、喉の渇きに私は死ぬ
■ ドストエフスキー 不幸とは自分が幸福であることを知らぬことだ。
■ ヴェーユ 恩寵は満たすものである。だが、恩寵をむかえ入れる真空のあるところにしか入って行けない。
真空は、最高度の充満である
■ 『正法眼蔵』 花は愛惜に散り、草は棄嫌に生ふるのみなり
■ 我々の肉と内臓は三年の周期で変換され、骨組織は七年で完全に入れ換わる
■ 埴谷雄高の勇気を示す言葉「俺は人間でありたいとは欲しない、何か謎でありたい」
■ 生命は、権利ではない。それは、宇宙から与えられたものだ。我々は、生きることを「許されている」存在なのだ。
■ 憧れに向かう者は、生きようと考えてはならない。不幸を覚悟しなければならない。
■ 憧れに向かう精神とは、そのすべてが「祈り」 殉教も芸術も読書も、等しく人間の未来へ投げられた「祈り」
■ 読書とはより良い人生を得るためのものではない。むしろ、そのような人生を捨てるためのもの。
■ 不幸に弱い人間は、読書が足りないのだ
■ 知識を求める読書は、自己を失う
■ 読書とは、知識を得るためのものではなく、過去の人間の心に触れること
知識は我々を強烈に誘惑する
■ 書物は、生きるために読むものではない。正しく死ぬための思想を得るためにある。
■ トインビーの『歴史の研究』 原書全巻十二冊を、二十歳くらいの執行草舟は、一ヶ月の間、読み続けた。 睡眠は二時間で、食事は一食。一ヶ月で十キロ痩せた
■ 「マタイ伝」十章一三節
以下の「わたし(キリスト)」とは、「精神」のこと
わたしよりも父や母を愛する者は、わたしにふさわしくない わたしよりも息子や娘を愛する者は、わたしにふさわしくない