本日11月21日は、モンゴルフィエ兄弟が熱気球による初の有人飛行に成功した日で、アルベルト・アインシュタインの特殊相対性理論の第2論文がドイツの学術誌『アナーレン・デア・フィジーク』に掲載された日で、治安警察法が廃止された日で、米大統領リチャード・ニクソンと日本の佐藤栄作首相が安保堅持・1972年の沖縄返還などの日米共同声明を発表した日で、国連総会で中華民国追放・中華人民共和国招請議案が過半数を超えてしまった日で、空白の一日事件があった日で、伊豆大島・三原山の噴火で全島民が一時島を脱出した日です。
本日も倉敷は晴れのち曇りでありましたよ。
最高気温は十七度。最低気温は十二度でありました。
明日も予報では倉敷は晴れたり曇ったりするとなっております。
炬燵。それは人類に残された最後の楽園である。
そこには人類が想像を絶する魔的な魅力、素晴らしい快楽が待ち受けているに違いない。
これは私が炬燵調査を行った時の脅威に満ちた物語である。
炬燵とは日本人が生み出した世界に誇る魔性の暖房器具である。
熱源体を取り付けた机に炬燵布団を掛け天板を乗せたもので、主に布団の中に足を入れて暖をとる。
魔性の暖房器具と言われる所以は、あまりの居心地の良さゆえ炬燵で暖をとった者を行動不能にして堕落させてしまう魔的な魅力を持つ点にある。
あの千秋真一さえも一定期間行動不能にせしめた、その能力の高さから本来は人を捕獲する為の器具ではないかという説もある。
先日、炬燵を部屋に設置した。
熱源体のスイッチを入れ、恐る恐る炬燵の中に足を突っ込んだ。
暖かい。なんて暖かいんだ。そして心地良い……。安らぐ……。
私はあまりの心地よさに思わず涙を流した。
暫らく呆然と炬燵の心地良さを堪能した。
炬燵の魅力に取りつかれた者の中には炬燵と一体化する人もいるらしい。
炬燵と一体化した者は『こたつむり』と呼ばれ、近年では見つかると人と見做されず獣扱いとなり駆除の対象となる。
嗚呼。私も炬燵と一体化したい。
駆除の対象になっても炬燵と一体化したい……。やばい。
『こたつむり』の進化形に『亀』がある。
炬燵に頭だけ出して潜り込んでしまった状態の者を指す。
『亀』も近年では駆除の対象である。
私も亀となって一生を過ごしたい……。
私はいつしか手の届く範囲にあらゆる物を掻き寄せて炬燵から一歩も出ずに亀になっていた。
このままでは駄目人間になってしまう……。
否。私はもうすでに駄目人間ではあるのだけれども、このままではより一層駄目人間になってしまう。
ワンランク上の駄目人間になってしまう……。
嗚呼。でも駄目になってもよい。
否。駄目になりたい……。
炬燵から出たくない。このままぢっとしていたい。
もう何もしたくない。このまま炬燵でひたすらぬくぬくしていたい。
炬燵。恐るべし。
その日、私は炬燵から出ず炬燵で眠ってしまった。
お仕事がなければ次の日もひたすら炬燵でぬくぬくしていたことであろう。
恐ろしい。
炬燵は人類を堕落へと導いてしまう恐るべき器具である。
でもでも、私は炬燵が好きだ~。
炬燵の魅力に抗することができない。
堕落してもいい。否。むしろ堕落したい。
恐ろしい。
ここまでの魅力を持つ炬燵が恐ろしい。
どうか皆様。
炬燵にはくれぐれもお気を付けくださいませ。
炬燵の魅力に取りつかれてはなりませぬ。
炬燵の魅力に取りつかれてしまったら、堕落してしまいますよ。
お気を付けくださいませ。