狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

理想主義者とは薔薇がキャベツより香りの良いことに気付くとすぐ、スープも薔薇の方が美味しいと結論づける人のことだ。

2020年06月20日 19時36分15秒 | その他の日記
私はテレビジョンでごく若い人達と話した際、
非武装平和を主張するその一人が、日本は非武装平和に徹して侵入する外敵に対しては一切抵抗せずに皆殺しにされてもよくそれによって世界史に平和憲法の理想が生かされればよいと主張するのを聞いて、
これがそのまま戦時中の一億玉砕思想に直結することに興味を抱いた。

-三島由紀夫-




 非軍事中立戦略を唱えているあるお方は、公の場で「敵が攻めてきて日本に上陸して自分の娘が『殺されそうになる』までにはたくさんの段階があるわけで。そこまでの段階で『逃げる』などの別の策を講じることを考えるほうが現実的」と述べたそうです。
 つまり、「非軍事中立戦略」を唱えている人は、何処かの国や勢力と戦争になった場合は真っ先に攻め込まれた場所の人達を見殺しにして真っ先に攻め込まれた場所の人達に時間稼ぎをしてもらって自分は逃げると公の場で公言したことになります。
 他者を見殺しにし他者を見捨てて他者の死を他者の苦難を利用して自分達だけ生き延びるという発想です。
 この発言に対して反対意見が一切なかったということは憲法9条を守れと述べている人達はおおむねこの「非軍事中立戦略」を唱えている人と同じ意見なのでしょう。

 ここで疑問なのは、何故に自分達が見捨てられる側に立つという可能性に思い至らないのか? という点です。
 他者を見殺しにし他者を見捨てて他者の死や苦難で作られた時間を利用して自分達は逃げだす、という考えを持っている人達は、その人達の意見が国の意見となった時、住んでいる場所によってはその人達が見捨てられる側に立つ可能性があるはずです。
 可能性が低くとも可能性はあるのです。
 見捨てられる側になっても構わないということなのでしょうか?

 さらに、他者を見捨てて見殺しにして他者の死や苦難で作られた時間を利用して自分達は逃げ出すと公言している人は、見殺しにされた人達の縁者が自分の縁者を見殺しにした人達のことをどのように思うのか? ということを想像したことがないのでしょうか?
 利用され塵のように捨てられた人達が、見殺しにした人に対してどのように思うか? そのことを考えない人は、他者を利用するだけの存在であると考えている可能性があります。

 そもそもこの人が述べていることは個人としてどのように行動するかという話であって、国家としてどうあるべきかという話ではありません。
 国家としてどうあるべきかという話をしているのに個人としてどのように行動するのかという話をして、話をすり替えています。話をすり替えるということは詐欺師と同じ手法です。

 個人としてどのように行動するか、という点では好きにしてくださいな。
 我が国は共産主義国ではないのですから。どのように行動しようとも法を犯していない限りは自由です。
 混乱状態であっても自分だけは逃げることが出来ると考える超お気楽極楽な現実を知らない考えを有事の際に是非とも実行してみてくださいな。
 終戦時に満州に居た人達が朝鮮半島経由で日本に帰国した際の苦難を全く勉強していない甘っちょろい考えを是非とも実行してくださいな。
 しかし、「国は攻め込まれた地域を見殺しにしろ」と国家の方針について述べるのならば、見殺しにされた地域の人達はどうすればよいのですか?
 そのことに明確に答えるべきです。


 憲法9条を守れと述べている人達の間で、「他者を見殺しにして逃げることを国是とせよ」という話がたびたび出てくるのです。
 憲法9条を守れと述べている人達はもはや現実に対応できず恐ろしいほど知的に劣化し始めているのでしょう。
 相手が見逃してくれなかった時はどうするつもりなのでしょう?
 相手が対話する気が一切なく殲滅のみを目的にしていた場合はどうするつもりなのでしょう? その場合に逃げ切れるだけの能力を持っている人がどれだけいるのでしょう?
 自分達の都合だけで考えて相手のことを一切考えないで論を作り上げることは現実的だとは思いませんよ?
 非武装であったが為に戦後に大勢の日本人が殺された例がたくさんあるのです。
 殺した側の国々は謝罪や反省をしたことはありませんよ。
 歴史の事実を無視するならば、私達はいずれ再び国を滅ぼし多くの人を死なせることになるでしょう。




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