狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

『変身』/フランツ・カフカ

2020年03月31日 22時40分57秒 | 小説・本に関する日記
 昨日の夜は、お布団の中でうつらうつらしながらフランツ・カフカの小説『変身』を読んでおりました。

 グレゴール・ザムザは、布地の販売員をしている。
 ある朝、自室のベットで目覚めると彼は巨大な虫になっていることに気が付く。
 そのことに戸惑いながらも彼はもう少し寝ようと試みる。しかしいつもの態勢を取ることが出来ないので寝付けない。
 その日は出張旅行の当日で、彼はベットの中で今の仕事の不満を募らせる。
 しかし、両親には商売の失敗によって多額の借金があるのでそれを返すまでは辞めるわけにはいかない。

 ふと時計を見ると、出張旅行のための出発時間をとっくに過ぎている。
 心配する家族の者がドア越しにグレゴールに声をかける。
 グレゴールが何とか体を動かしてベットから這い出ようとしているうちにグレゴールの様子を見に店の支配人がやってきた……。


 超有名な小説です。
 多くの人によって様々な考証がなされている小説です。
 不条理を描いた作品です。

 そのことを重々分かった上で基本的にはボケ属性に属する私・狐がこの作品について少し述べてみよう。というのが今回の記事の趣旨であります。
 どうかどうか「愚か者が何か述べておるわい」と嗤いながらお読みくださったならば幸いにございます。
 それでは、以下の文を御笑読くださませ。





 主人公はボケ属性の人なのです。

 物語の冒頭で主人公は朝に目が覚めた時に薄気味悪い虫に変身している。インパクトが特大の出オチです。
 目が覚めて自分が虫になっていたならばツッコミ属性の人ならば必ず「何でやねん!」と自分にツッコむことでしょう。そして自分が虫に変身していることに大騒ぎするはずです。
 しかし主人公は目が覚めた時に自分が薄気味悪い虫に変身しているにもかかわらず、再び寝ようとするのです。読者はここでまずツッコむはずです。「何でやねん!」と。
 さらに主人公はベットの中で自分のお仕事について愚痴を述べるのです。虫に変身するという大ボケにさらにボケをかぶせてきています。読者はここでもツッコむはずです。「そんなことを心配してる場合ちゃうやろ!」と。
 
 この物語では主人公はひたすらボケを連発しているのです。
 その主人公のボケにこの物語ではきちんとツッコミを入れる人がいません。ほとんどの登場人物が主人公のボケにさらにボケをかぶせてきます。
 では、誰がツッコむのでしょうか?
 それはこの物語を読んでいる人の役目となるのです。

 カフカの「変身」とは、物語の冒頭で主人公は朝に目が覚めた時に薄気味悪い虫に変身しているというインパクトが特大の出オチで始まる物語を引っ張って延々と登場人物達がボケ倒す物語なのです。



 という説を述べたら多くの人に文学に対する侮辱であると怒られるかなぁ?
 でも、私も基本的にはボケ属性の人なので、もしカフカの「変身」で読書感想文を書かねばならぬとしたならば主人公はボケ属性の人であるという説を展開して書くだろうなぁ。多分。
 そして先生に「何でやねん!」とツッコまれることをわくわくしながら待つことでしょう。


 
 てなことを考えながら、昨夜はぱらぱらりと読み返しておりました。
 面白かったですよ。


コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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無念。 ()
2020-04-01 17:49:24
 嗚呼。お寝むの直前でコメントを読んだので頭が回らず気がつかなかった……。orz。
 無念。無念であります。
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慾を言えば (リュケイオン)
2020-04-01 17:23:02
『な、なんだってー!!』
と元ネタどうり返して欲しかったとワガママ( ´艸`)
返信する
えいぷり~るふ~るですね。 ()
2020-04-01 00:37:46
 コメントありがとうございます。リュケイオンさん。
 ふむふむ。
 こんな一文もありますよ。

 『聞け! 我が一族よ!
 其方達は今より更に辛苦の中で生きるであろう。
 既に苦難と共に過ごすも更なる強敵と戦い続ける流浪を続けねばならん。
 だが怯むな。困苦に耐えよ。
 屈辱の元でも子を生み育てよ……。

 古き予言は真であった……。
 其方達を栄光の地へと導く者が現れたのだ。
 木々を愛で虫と語り風を招く雉の人……。
 其の者 紅き衣を纏いて碧き芝の野に降りたつべし。
 我等が待望の栄華の地への絆を結ばん。

 其の者の名はまだ明かせぬ。
 時 満つれば皆の前に現れよう』


 今年こそは昇格しましょう!!

返信する
日付替わってから読んでね (リュケイオン)
2020-03-31 23:38:20
ファジアーノとはイタリア語。イタリアの文章にその単語がないかと調べた結果、ノストラダムスの預言書にこういう記述を発見した。
『雉が二番目の枝に舞い降りてより干支が一巡りした翌年、西より災いの暈(コロナ)来りて雉は上の枝に翔び移る』と。
今年はファジ(雉)がJ2に上がって12年目、つまり、今年ファジがJ1に昇格することは、500年も前に既にノストラダムスによって預言されていたんだよ!
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