野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

梅雨時の尾瀬を歩く

2014-07-02 | ハイキング

 6月の終わりから7月にかけて尾瀬に行ってきた。この時期尾瀬は雨が多いのと、ミズバショウとニッコウキスゲの間のシーズンということで、訪れる人が極端に少ない。それでも思ったよりたくさんの花と出会えたので、これから数回に分けて載せていきたい。

早朝のバスに乗って大清水に着いたのは10時半ごろ。峠は閑散としている。大清水峠は尾瀬沼へのアクセスは良いのだが、ちょっとした山登りがあるのと尾瀬ヶ原まで行くとなると行程が長くなるので、最近では敬遠されている。今年の7月から一ノ瀬まで小型のバスを走らせることになったらしいので、そうしたら少しは大清水経由のハイカーが増えるのだろうか。

 昼近くのせいかハイカーは私を含めて3人だけ。天気は曇り時々雨の予報だったが今のところ良い。

 

 荷物を整えてすぐに歩き始める。林道脇でマタタビの花が咲いていた。

 

 

大木に絡みついて咲いているのはツルアジサイのようだ。

 

 日当たりのよい道の両側では、可愛らしいキンポウゲの花が風に揺れている。

 

小一時間で一ノ瀬の休憩所が見えてきた。

 

 休憩所は素通りして登山口へ

木道の上のグリーンマットは靴裏に付いた街の雑草の種を落とすためのものだ。

 

 ジャケツイバラがお出迎え。マメ科の蔓性イバラで開かれた日当たりのよい所に咲く。良く目につく派手の花だが、レッドリストに指定している県もあり、自然の姿では中々お目にかかれない。

 

 

タニウツギの鮮やかな葉が狭い山道を塞ぐように咲いている。

 

沢に沿って急な山道を登っていく。薄暗い林床に咲くノビネチドリを発見。

 

タケシマランとオオバタケシマランもひっそりと咲いている。

 

 

 山道でよく見かけるゴゼンタチバナ

 

 花の種類が多いので登りの苦労を忘れてしまうほどだ。

林道沿いに群生するズダヤクシュ。ズダとは長野の方言で喘息のことをさし、その薬効があるということで命名されたらしい。

 

 ヤマクワガタ、クルマバムグラと小さな花が多い。

 

 

 これは反対に派手で大きな花を咲かすラショウモンカズラ。

 

 ニガイチゴ

 

 

 コケイランはラン科の花だが、別名ササエビネと呼ばれエビネの花に良く似ている。

 

 奥多摩や秩父の低山では2か月も前に咲き終わったチゴユリが今咲いている。

 

ナナカマドの白い花

 

 足元にはイワナシの可愛い花。ツツジ科の常緑小低木だが、私はどういうわけかこの花を尾瀬以外では見たことがない。

 

 登山口から一時間、登りが少し緩やかになったところで標高1762mの三平峠に着いた。

 

大して疲れてもいないのでそのまま尾瀬沼へ下った。

コミヤマカタバミの可愛らしい花は、暗い針葉樹林帯を歩く際の慰めだ。予報が外れてくれて時折陽が射すので、花が開いているのが嬉しい。

 

沢山の小さな虫が寄ってきている。

 

エンレイソウ

 

雪解けの時期に見られるサンカヨウの小さな花がまだ咲いていた。

 

もう少しで尾瀬沼という時立ち止まり、何の気なしに振り向いたらその先にキヌガサソウが咲いていた 十数年前に栂池自然園で見かけて、その大きな花容に驚いたことがあった。

 草丈80cm、30㎝にもなる葉を10枚ほど放射状につけ、その中心に直径6cmほどの端正な花をつける。

 

 三平峠の森林内に咲くと知って、丹念に探しながら来たのに出会えなかった。もうすぐ森林も終わりと諦めかけたとき、それもいったん通り過ぎた後に振り向いて見つけることができたなんて何と言いう僥倖だろう。花の精が呼び止めて、姿を見せてくれたとしか思えない。

  この花に出会えただけでも来た甲斐があった。

 

 峠から20分ほど下った所で尾瀬沼の畔に立つ小屋が見えてきた。

 

今回はここまで。

 


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