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泊まったのは見晴らしの桧枝岐小屋。収容人数が一番少ないのが選んだ理由だ。朝6時の朝食は思ったよりうまかった。尾瀬に泊まるのはこれで7回目だが、今までで一番おいしかったように思う。
7時前には小屋を出た。朝もやが山の麓に漂っている。
コオニユリの出迎えが嬉しい。
アブラガヤも朝露を浴びて意外と綺麗だ
コバギボウシ
まだ羽根がぬれて動けないアキアカネ
まだうっすらと闇の気配の残る木道を歩く、足音だけが静かに響いていく。時折、野鳥のさえずりが湿原を渡ってくる。
ヨツバヒヨドリ
初めて出会ったシロバナカモメヅル
マムシ草の仲間、まだ色づいては居ない
尾瀬の沼地に咲くミズチドリ
歩きだしてすぐに雨が降り出してきた。ズボンだけ合羽に変えて、傘をさして歩く。
トンボソウに似ているが、ツレサギソウ?コバノキソチドリ?図鑑を見て判別できなかった。
雨に濡れたカラマツソウ
バラ科のクロバナロウゲ
カキラン
アオヤギソウ
いずれも宝石のように美しい
雨で水嵩の増した只見川を渡る
橋のすぐそばにはトモエグサの群生が見られる。
クガイソウ
このあたりの林でショウキランを探したが残念ながら見つからなかった。
拠水林を抜けた所のクマよけの鈴
雨は一向にやむ気配はない
東電小屋の傍に咲いていたウバユリは甘い芳香を漂わせていた。
暫く木道を行くとだんだんと池塘が多くなってきた。
貴婦人のような面影を持つシラカバ、孤高で気高く近寄りがたい
辺りに頻りにカッコウのさえずりが聞こえてきた。
昼が近くなってきたせいか、池塘のヒツジグサがそろそろと開きだした。
手前に見えるのはミツガシワの実
夏の終わりから秋にかけて咲く湿原の花、イワショウブも咲き出していた。
これもこれから見頃を迎えるサワギキョウ
オタカラコウとマルバタケブキ
あとはまとめてドクゼリ、オニシモツケ、レイジンソウそして秋に赤い実をつけるトチバニンジン
一向にやむ気配のない雨を味わいながら、至仏山に向かう木道をゆく。この雨では至仏への登山は断念だなと、やむを得ないなと、残念だがこの次だと、何度も自分に言い聞かせながら山の鼻へと歩いた。山の鼻から鳩待峠まではあっという間だった。
この辺で。