癒しの森 湯布院(仙人の健康相談室)  


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シルディ・サイババ(三つ又の矛とピンディ)

2011-10-12 | シルディ・サイババ

メガは2つの場所でババを礼拝した。マスジッドでババ本人を、ワダではナナサヘブ・チャンドルカールが設置した大きな絵を。これを彼は12ヶ月続けた。彼の信仰心を評価し、その信頼を確かなものにするために、ババは彼にヴィジョンを与えた。

 

ある朝、メガが目を閉じてまだベッドに横たわっているものの、意識が目覚めかかっていたとき、彼ははっきりとババの姿を見た。彼が目覚めているのを知っていたババはアクシャタ(クムクムで赤く彩った米)を投げて、「メガ、三つ又の矛を書きなさい!」と言って消えた。

 

ババの言葉を聞いて目を開けた彼は、そこにババの姿はなく、ただ米があちこちに散らばっているのを見た。そこで彼はババのところへ行き、ヴィジョンのことを話して、三つ又の矛を描く許可を願い出た。ババは言った、「三つ又の矛を描くように言った私の言葉が聞こえなかったのか?あれはヴィジョンではなく、直接の指示だ。私の言葉はうつろなものではなく常に深い意味が含まれているのだ」メガは言った、「あなたが私を起こしたのだと思いました。

 

でも扉は全部閉まっていたので、私はあれはヴィジョンだったのだと思ったのです」ババは答えて、「私には扉は必要ない。私には形もない。私はどこにでもいる。私は操り人形師として、私を信じ私に溶け込む者のあらゆる行為を行うのだ」

 

  メガはワダに戻り、ババの絵の側の壁に赤い三つ又の矛を描いた。翌日ラマダシのバクタがプーナからやってきて、ババに敬礼しピンディ(シヴァの男根像)を捧げた。この時メガもその場にやってきた。ババは彼に言った。「ごらん、シャンカールがやってきた。さあ、彼に礼拝しなさい!」メガはピンディを見て喜び驚いた。ワダでも、カカサヘブ・ディクシットが沐浴後で頭にタオルを巻いて立ち、サイを思い浮かべていたときに、心の中にピンディのヴィジョンを見た。彼がこれを不思議に思っていると、メガがやってきてババから差し出されたピンディを彼に見せた。

 

ディクシットは、このピンディが彼が数分前にヴィジョンで見たものと正確に一致していたのを知って喜んだ。数日のうちに、三つ又の矛の絵は完成し、ババは大きな絵の近くにピンディを安置し、メガはそれを礼拝した。シヴァへの礼拝はメガにとって大切なことであり、三つ又の矛の絵を描き、ピンディを安置することで、ババは彼の信仰心をますます強めたのであった。

 

  それから長年に亘るババへの奉仕を続け、正午と夕方に定期的な礼拝も行った後、メガは1912年に亡くなった。ババは遺体に手を触れて言った。「これは私の真の帰依者であった」ババは自費でブラーミンに対し葬儀の正餐を振舞うよう指示し、カカサヘブ・ディクシットがこれを執り行った。

 

スリ・サイに頭を垂れよ - 皆に平安が訪れますように

 

 


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シルディ・サイババ(ガンジスでの沐浴)

2011-10-12 | シルディ・サイババ

あるマカル・サンクランティの日、メガはババの身体に白檀の練り粉を塗り、ガンジスの水でババを洗いたいと思った。ババは最初これに乗り気ではなかったが、彼の繰り返しての懇願にババも同意をした。メガはゴダヴァリ河から聖なる水を運ぶためには往復で8kos(38.4km)もの距離を縦走しなくてはならなかった。

 

彼は水を運び、正午の沐浴に備えて準備をし、ババにも準備をしてくれるよう頼んだ。するとババは自分はファーキルでガンジスの水を使うわけにいかないと言って、再び彼に沐浴に水を使わないように頼んだ。だがメガは言うことをきかなかった。彼はシヴァが吉兆の日のアビシェカ(聖なる沐浴)を喜ぶことを知っていた。そこでババはやむなく同意して、木の板の上に座り、頭を突き出してこう言った。

 

「ああ、メガ、この願いだけは聞いてくれないか。頭は身体の中で一番大事な部位だ。だから頭に水を掛けるだけにしておくれ。そうすれば全身で沐浴したのと同じことになるから」「分かりました」メガは答えて、水の入った瓶を持ち上げ、頭に水を掛けようとしたとき、彼は強い愛の感情に圧倒され「ハーレ、ハーレ、ガンジ(ガンガの女神よ、ようこそ)」と叫んで、瓶の水を全部、全身に掛けてしまった。彼は瓶を脇へ置いてババを見たが、なんとも驚いたことにババの頭だけがびっしょり濡れていて、身体は乾いたままだった。

 


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シルディ・サイババ((3)メガ)

2011-10-12 | シルディ・サイババ

さて今度は3羽目のスズメに移ろう。ヴィラムガオンのメガはラオ・バハドゥルH.V.サテの元に仕える無知で読み書きのできないブラーミンの料理人であった。彼はシヴァの帰依者で、いつもナマシヴァーヤという5音節のマントラを唱えていた。彼はサンディヤも主要なマントラガヤトリも知らなかった。

 

ラオ・バハドゥル・サテは彼に興味を持ち、サンディヤとガヤトリを教えた。サテは、シルディのサイババはシヴァ神の化身だからと言って、彼をシルディに行かせることにした。ブローチ鉄道の駅で、彼はサイババはイスラム教徒だと聞き、彼の単純で因習的な心はイスラム教徒に頭を下げることを考えて非常に掻き乱され、自分をそこへ行かせないでくれと主人に懇願した。

 

だが彼の主人は彼に彼の地へ行くよう要求し、サテの義理の父親、ガネーシュ・ダモダール、別名ダダ・ケルカールに紹介状を書き、彼をサイババに紹介してくれるよう依頼した。彼がシルディに到着しマスジッドへ行くと、ババはとても憤慨していて彼が入ることを許さなかった。「ならず者を追い出せ」ババはうなるようにメガに言った。「お前はブラーミンという高いカーストで、私は低いイスラム教徒だ。ここへ来たらお前はカーストを失うぞ。出て行け!」これを聴いてメガは震えた。

 

彼は、自分の心によぎったことをなぜババが知っているのだろうかと不思議に思った。彼は数日そこに滞在して、彼なりのやり方でババに奉仕したが、まだ納得できなかった。そこで彼は家に帰り、その後トリヤムバク(ナシク地区)へ行ってそこに一年半の間滞在した。それから再びシルディに戻ってきた。この度はダダ・ケルカールの仲介があって、彼はマスジッドへ入ることを許され、シルディに滞在した。

 

サイババのメガに対する助言は言葉によるものではなかった。ババは内側から働きかけ、その結果彼は著しく変化をし恩恵を受けた。それからメガはサイババをシヴァの化身として仰ぎ見るようになった。シヴァを礼拝するためにはベルの葉が必要だったので、メガは毎日何マイルもの道を行き来して葉を持ってきてはシヴァ(ババ)を礼拝していた。彼は村の全ての神々を礼拝し、それからマスジッドへ来てババのガディ(玉座)に敬礼してから、ババを礼拝し、彼の足を洗うなど奉仕を終えると、ババの足を洗った水(ティルス)を飲んだ。

 

ある時彼は、寺院の扉が閉まっていたので、カンドバを礼拝せずにマスジッドにやって来た。ババは彼の礼拝を受け付けず、扉は開いているからといって彼をもう一度行かせた。メガが行って見ると扉は開いていたので、神を礼拝し、いつものようにババのところへ戻ってきたのだった。


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シルディ・サイババ((2)ブルハンポールの女性)

2011-10-12 | シルディ・サイババ

さてでは次のスズメの話に移ろう。ブルハンポールのある女性が、サイババが彼女の家の扉の前にやってきてキチャディ(豆と塩で調理した米)を乞い求める夢を見た。目が覚めて彼女は戸口に誰もいないのを確認したが、このヴィジョンを喜び、夫を含め皆にその話をした。

 

夫は郵便局に勤めていたが、彼がアコラに転勤になったとき、信仰深い夫妻はシルディに行くことに決めた。そして吉兆の日シルディへと出発し、途中ゴマティ・ティルスを訪問してから、シルディに到着し2ヶ月滞在した。毎日彼らはマスジッドを訪れ、ババを礼拝して、幸せな時間を過ごしていた。

 

夫妻はナイヴァイディヤとしてキチャディを捧げるためにシルディに来たのだが、最初の14日間はどういうわけか供えることができなかった。妻はのろのろと遅れているのが気に入らなかった。15日目にようやく彼女はキチャディを持って正午にマスジッドへ行った。するとババは既に他の人たちと食事の席についていて、カーテンが下りていた。カーテンが下りているときは、誰も中へ入ろうとはしないのだが、彼女は待てなかった。

 

そこで彼女はカーテンを上げて中へ入った。おかしなことに、その日ババはキチャディを食べたがっており、女性がキチャディを持って行くと、ババは喜んで一口また一口とキチャディを食べ始めた。ババが夢中になって食べている様子を見て皆驚き呆れたが、キチャディの話を聞いた人々は彼の帰依者に対する驚くべき愛情に一様に納得したのであった。

 


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シルディ・サイババ(邪悪な瞳)

2011-10-12 | シルディ・サイババ

ラクシュミチャンドが滞在している間、彼はある夜チャヴァディへの行進を目撃した。その時ババはひどい咳を患っていた。彼はこのババの患いは誰かの邪悪な瞳のせいではないかと思った。翌日彼がマスジッドへ行くと、ババはシャマと次のような会話をしていた。「ゆうべ私は咳がひどくてね。これは誰かの邪悪な目のせいだろうか?誰かが邪悪な目をしていたせいで、それが私に作用して咳き込んだんじゃないかと思うんだが」この時、ババはラクシュミチャンドの心によぎった考えを口に出したのだった。

 

  このようにババの全知とバクタたちへの親切な様子を見て、彼はババの足元にひれ伏して言った。「私はあなたのダルシャンで大変祝福されました。いつも親切で、慈悲深く、私をお守り下さい。私にとってこの世であなた以外に神はいません。私の心がずっとあなたのバジャンと御足に没頭していられるように、あなたの恩寵が私をこの世の苦悩から守って下さいますように、私がずっとあなたの御名を唱えて幸せでいられるようにして下さい」

 

  ババのウディと祝福をもらって、彼は喜び満たされて、道中ババの栄光を歌いながら友人と共に家路についた。彼はその後ババの揺ぎ無い帰依者となり、彼の知り合いが誰かシルディへ行くときは、いつも花輪やカンフルやダクシナなどを贈った。

 


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シルディ・サイババ(サンザ)

2011-10-12 | シルディ・サイババ

正午にラクシュミチャンドが食事の席に座っていると、帰依者からプラサドとしてサンザ(プディング)をもらった。彼は喜んで食べた。翌日も期待したが何もなかった。すると彼はどうしてもまた食べたくなった。すると3日目の正午のアーティのときに、バプサヘブ・ヨグがババに、ナイヴァイディヤは何を持ってくれば良いだろうかと尋ねた。ババはサンザを持ってくるように言った。

 

そこでバクタたちはサンザがいっぱいに入った鉢を2つ持ってきた。ラクシュミチャンドは大変空腹で、背中に痛みがあった。そこでババは彼に言った、「空腹なのは良いことだ。サンザを取って食べ、背中の痛みには薬を使いなさい」ババが再び自分の心を読んで心によぎったことを口に出したので、彼はまたしても驚き入ってしまった。なんと彼は全知なのだろう!

 


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シルディ・サイババ((1)ララ・ラクシュミチャンド)

2011-10-12 | シルディ・サイババ

この紳士は最初、ムンバイのシュリ・ヴェンカテシュワラ出版社に勤めていたが、鉄道局に移り、それからRalli Brothers & Co.,社に事務官として勤めていた。彼は1910年にババと出会った。クリスマスの1,2ヶ月前サンタクルズ(ムンバイ近郊)にいたとき、彼は夢の中でひげを生やしてバクタたちに囲まれて立っている老人を見た。

 

数日後彼は友人のダッタトレヤ・マンジュナス・ビジュル氏の家に行き、ダース・ガヌのキルタンを聴いた。ダース・ガヌがキルタンを演じている間は、聴衆の前にババの絵を置いておくのがいつもの習慣だった。ラクシュミチャンドは、彼が夢で見た老人の姿と、その絵に描かれている人物がぴったりと一致していたのに驚いて、彼が夢で見た老人はサイババその人だと結論するに至った。この絵の姿と、ダース・ガヌのキルタン、そしてダース・ガヌが語った聖トゥカラームの生涯、それら全てが彼の心に強い印象を残し、彼はシルディに行こうと決めた。バクタたちがいつも経験するのは、神はサドグルを求める者やその他の霊的な努力を常に助けるということだ。まさにその夜、シャンカララオという名の友人が彼の家にやってきて、一緒にシルディに行かないかと尋ねた。彼は従兄弟から15ルピーを借りて、必要な準備をした後シルディへ旅立った。列車の中で彼と友人のシャンカララオはいくつかバジャンを歌い、乗客でシルディの近くの町へ戻る途中の4人のイスラム教徒たちに、サイババについて尋ねた。彼らは皆サイババはシルディに長年住んでいる偉大な聖者だと答えた。彼らがコペルガオンに到着すると、彼はババへの捧げ物として上質のグァバを買いたいと思った。

 

だが彼はそこの景色にうっとりと心を奪われてしまい、買うのを忘れてしまった。彼らがシルディに近づくと、彼はグァバのことを思い出し、丁度その時トンガの後ろで頭にグァバのカゴを乗せて走っている老女が見えた。

 

トンガを止め、彼は嬉しそうにいくつか果物を買うと、その女性は「他のもみんな持って行って私の代わりにババに捧げておくれ」と言った。彼はグァバを買うつもりでいたのに忘れてしまい、それから老女に出会って彼女のババへの信仰心に触れた。こうしたことは全て彼らには嬉しい驚きであった。

 

ラクシュミチャンドは心の中で、この老女は彼が夢で見た老人と何か関係があるのではないかと思った。それから彼らはシルディの近くまでやってきて、マスジッドの旗を見ると敬礼をした。プジャの道具を手に持って彼らはマスジッドへ行き、相応の儀式でババを礼拝した。ラクシュミチャンドは非常に感動してババに会えて大変幸福だった。彼は、甘い匂いのする蓮に引き寄せられる蜂のように、ババの足に彼自身がくるまった。するとババが次のように言った。

 

  「ずる賢い奴め、彼は道中でバジャンを歌い、他人に質問をした。なぜ他人に聞くのだ?全ては自分の目で見るがよい。他人に質問する必要がどこにあるのだ?夢が本当かどうかは自分で考えればよいではないか?マルワリから金を借りてダルシャンに来る必要がどこにあったのかね?ハートの望みは満たされたかね?」

 

  これを聴いてラクシュミチャンドはババの全知に驚き打たれてしまった。彼は自分の家からシルディに来るまでの間に起きたことの全てをババがどうやって知るに至ったのか、知るすべもなく途方に暮れた。まずここに記しておきたいことは、ババは人々が金を借りてダルシャンに来たり、祝日を祝ったり、巡礼の旅をしたりするのを嫌ったということである。

 


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シルディ・サイババ(第二十八章 前置き)

2011-10-12 | シルディ・サイババ

サイは有限でなく、制限のあるものでもない。彼は蟻や昆虫からブラフマン神に至るまで万物の中に住んでいる。彼は遍在している。サイは自己認識の科学と同様、ヴェーダの知識にも精通していた。彼は両方に堪能だったから、サドグルになるにはぴったりだった。知識はあっても、弟子を目覚めさせ自己認識へと到達させることができなければ、サドグルと呼ばれるのに値しない。一般的には世間の両親は肉体に命を与えるが、死は常に人生についてくる。だがサドグルは人生と死の両方を取り除くので、誰よりも優しく慈悲深いのだ。

 

  サイババはしばしばこう言っていた - 主の帰依者はどれだけ彼から離れていようとも、足に紐を着けたスズメのようにシルディに引き寄せられるだろう。本章ではこうした3人のスズメたちの物語を描くことにする。


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シルディ・サイババ(カパルド夫妻)

2011-10-12 | シルディ・サイババ

カパルド夫妻についての物語で本章を締めくくろう。ある時ダダサヘブ・カパルドが家族と共にやってきて、数ヶ月をシルディで過ごした(彼の滞在日記は”Sri Sai Leela” I Volumeに英語で掲載されている)。ダダサヘブは普通の人物ではなかった。

 

彼は裕福でアマラヴァティー(ベラール)の最も有名な唱道者で、デリーの州議会議員であった。彼は知性があり、素晴らしい演説家であった。だが彼は敢えてババの前では口を開かなかった。ほとんどの帰依者たちが時々ババと喋ったり議論したりしていたが、カパルドとヌールカール、ブティの3人はいつも黙っていた。彼らは大人しく、穏やかで、控えめで気立てが良かった。パンチャダシ(高名なヴィディヤラニャによって書かれたアドワイタ哲学についてのサンスクリット語の論文)について詳しく皆に説明することのできたダダサヘブも、マスジッドへ来てババの前にいるときは、何も喋らなかった。ヴェーダを学ぶほど博学の者であっても、ブラフマンを悟り、それと一つになった者の前では姿を消してしまうのだ。

 

学ぶだけでは自己認識には太刀打ちできない。ダダサヘブは4ヶ月滞在したが、カパルド夫人は7ヶ月滞在していた。両者ともシルディでの滞在を非常に喜んでいた。カパルド夫人は誠実で信仰深くババを深く愛していた。正午のたびに彼女は自身でマスジッドへナイヴァイディヤを持って行き、ババが受け取ると、戻ってきて自分の食事をするのだった。彼女の不変で強い信仰を見たババは他の者たちにもその有様を見せてやりたいと思った。

 

ある正午に彼女がサンザ(プディング)やプリ、米、スープ、ケール(甘い飯)その他様々な品を載せた食事をマスジッドに持ってきた。いつもなら数時間待っていたババが、すぐに立ち上がって自分の席へ行き食事の覆いを取って、夢中になってそれを食べ始めた。その時シャマが尋ねた。「なぜこんなえこひいきをするのですか?時にあなたは他の人の持ってきた食事は捨ててしまって、彼らを省みることもしないではありませんか。なのに今回の食事はとても気に入った。

 

この女性が持ってきた食事がなぜそれほどおいしいのですか?教えて下さい」そこでババは説明した。「この食事は実に驚くべきものだ。前世でこの女性は商人に飼われていた肥えた乳牛で、たくさんのミルクを出していた。彼女は死んだ後、庭師の家に生まれ、それからクシャトリヤの家に生まれ商人と結婚したのだ。それから彼女はブラーミンの家に生まれた。私は久方ぶりに彼女に会った。

 

彼女の料理に込められた愛をもう一口食べさせてくれないか」こういい終わると、ババは彼女の料理に十分に報いてから、手と口を洗い、非常に満足してげっぷをし、自分の席に戻った。それから彼女はお辞儀をしてからババの足を洗い始め、ババは彼女と話し始め、彼の足を洗っている彼女の腕を揉んだ。この互恵的な奉仕のし合いを見てシャマは冗談を言い始めた。「いい具合じゃないか。

 

神と彼のバクタが互いに奉仕しあっているなんて素晴らしい光景だ」彼女の真摯な奉仕を喜んだババは、‘ラージャラーム、ラージャラームと唱えるよう低い魅力的な声で彼女に言った。「そうすれば、あなたの人生の目的は達成されるだろう。あなたの心は平安を得て、大きな恩恵を受けるだろう」霊的な事柄に馴染のない人々にとっては、これは礼儀正しい振る舞いに見えたかもしれないが、本当はそうではなかった。これはシャクティパットと呼ばれる行為、すなわちグルから弟子への力の伝授であった。ババの言葉はなんと効果的だったことか!一瞬にして言葉は彼女のハートを貫き、そこに留まったのであった。

 

  この事例はグルと弟子の間に存在する関係の本質を表している。どちらも一つのものとして互いに愛し奉仕しているのだ。両者の間には区別も違いもない。両者は一つであり、一方は他方がなくては生きていかれない。グルの足に手を置く弟子は肉眼で見る外面的な姿だ。真実の内なる姿では、彼らは一つで同じなのだ。彼らの間に何らかの違いを見る者はまだ未熟で完全ではないのだ。

 

スリ・サイに頭を垂れよ - 皆に平安が訪れますように

 


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シルディ・サイババ(ギータ・ラハシャ)

2011-10-12 | シルディ・サイババ

ババはいつもブラフマン・ヴィディヤ(形而上学)を学ぶ人々を愛し、彼らを鼓舞した。あるときバプサヘブ・ヨグが郵便小包を受け取ったときの話を例に挙げよう。その中にはロカマニヤ・ティラク解説のギータ・ラハシャが入っていた。これを小脇に抱えて彼はマスジッドにやってくると、ババの前にひれ伏し、その時包みがババの足元に落ちた。ババはそれは何かと尋ねた。

 

そこで包みが開梱され、ババが本を手にとった。ババはしばらくの間数ページをめくっていたが、ポケットから1ルピーを取り出して本の上に置き、一緒にヨグに渡しながら言った、「これをきちんと読みなさい。君の役に立つだろう」


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