木曜日のお稽古お休み以外、毎日お稽古に来る女の子がいる。
筆で書くことが大好きらしく、嬉しそうに書いたものを持ってくる。
良いところは褒めて、直して欲しい所を指摘すると、必ず直した物を書き上げて持ってくる。
だから、褒めてあげる。
褒めてあげるととても嬉しそうな笑顔を見せてくれる。
そして次の課題に取り組む。
聞けば、自分で『お習字に行ってくる』と言って、徒歩10分ほどの距離を歩いてくるのだそうだ。
教室では三密にならないように窓を開け、距離を空けて座ってもらっている。
もちろん、マスクをつけ、無駄なお喋りもしない。
少し寒いけれど、皆、黙々と真っ白い紙に、真っ黒な墨で、それぞれの宇宙を自由に創っている。
そんな事を毎日繰り返しているうちに、この毎日お稽古にくる子供は、私の為にお稽古に来てくれているような気がしてきた、、、。
この笑顔は、私へのプレゼントなんだな、と思うようになってきた。
少し涙が滲む、、、。
今日は大雨だから、お稽古に来なくていいよ。
そう思う。
大雨がいろんな物を流し尽くした後に、青い空が広がるだろうから、それまではお家にいてくださいね。
君たちが学校に行ってたくさんの友達と思いっきり遊べるようにするから、もうしばらく辛抱してください。
それまでは、お父さんお母さんが許してくださったら、マスクつけてお稽古に来て、お習字楽しんでください。
君たちの笑顔を待っていますよ。