(2018年野辺山スーパークロス:UCIシクロクロス1クラス)]
私が自転車選手だった70~80年代は、あいまいだったレースの格付けが、トラック、ロード、シクロクロス、マウンテンバイク等それぞれの種目で今ははっきりできています。
自転車ファンの方には、釈迦に説法ですが、UCI公認大会で上位に入りポイントを得て、世界ランキング国別上位に位置していないとオリンピックや世界選手権の出場枠が得られないという事態に陥ってしまうためUCIポイントをどれだけ獲得できるかということが、自転車競技の世界では極めて重要な要素になっています。
(JICF松本国際トラックカップ:UCIトラックレース2クラス)
トラックレースでは短距離、中・長距離で有能な外国人コーチがナショナルチームを指導しており少しずつ実績が出てきています。
しかし、ロードレースではかなり厳しい状況です…
アジアツアーでは上位ですが、世界ランキングは30位ぐらい、昨年の世界選手権も日本は単騎のエントリーでした。
今回はロードレースについて考えてみます。
ロードレースのカテゴリー
☆ワールドツアー
☆H(オークラス)
☆1クラス
☆2クラス
※1がワンデーレース、2がステージレースなのでUCI2-1ならステージレースの1クラス、UCI1-HCならワンデーレースのオークラスになります。
(ツールドフランスさいたまクリテリウム:チームスカイプレゼンテーション)
チームの格付けもしっかりされています。
ワールドツアーチーム:ワールドツアー(ツール・ド・フランス等)への参加義務あり。
プロコンチネンタルチーム:主催者推薦でワールドツアーに参加可能。
コンチネンタルチーム:アジアツアー、アメリカツアー等コンチネンタルサーキット1と2クラスおよびHクラスまでは参加可能。
現在日本にはコンチネンタルチームしかない状態です。ワールドツアーチーム所属は新城選手と別府選手のみです。
世界の強豪とは実力差もあるのは事実ですが、根本的な問題として現在の日本はUCIポイントが獲得しずらい状況になっていることも考慮しなければいけないと思います。
日本のUCI公認のロードレースは?
☆ステージレース
ツアー・オブ・ジャパン:UCI2-1
ツール・ド・熊野:UCI2-2
ツール・ド・栃木:UCI2-2
ツール・ド・北海道:UCI2-2
☀ワンデーレース
ジャパンカップロードレース:UCI1-HC
ツール・ド・沖縄:UCI1-2
そして昨年から
大分アーバンクラシック:UCI1-2が加わりました。
が、本場ヨーロッパ諸国と比較してあまりにも少ない!
しかもヨーロッパは陸続き、イタリアの選手が隣りのフランスのレースに参加することは難しくはありません。
フランスの選手が隣りのベルギーのレースに参加することも大変ではありません。
この辺の所が根本的なレベルの差になっていると思います。
しかも、日本の選手が他国のアジアツアーの大会に参加するには海を渡らなけばなりません。
これは大きなハンディです。
今後のロードレースのレベルアップの課題としては、次のようなことも考えられるのではないでしょうか?
①国内でUCI公認大会をもう少し増やす(ポイントを取りやすくなる利点がある)
②NIPPOチーム(イタリアとの合作のプロコンチーム)のように海外のレースに出やすい環境を作る。
③スポンサーの問題もありますが、コンチネンタルチームでもよいのでヨーロッパに拠点を置いてレベルの高いヨーロッパツアーで活動するチームを作る。
また、一昨年見た前橋クリテリウムの率直な感想としては、有力チームが少なかったこともありますが、レベルの高い選手もいたが、層が薄いことと、トラックレース出身の私から見てもレース展開が緩いと感じられたことです。
UCI公認の2クラス1クラスのレースをもう少し増やして、海外の少し強いチームを加えることでレースを厳しくするのもレベルアップのための方法なのかなと思いました。
昔から比較すれば進歩はありますが、ロードはトラック以上に課題満載なのではと考えています。
トラックレースの中・長距離種目を走りこむことも、ロードレースの基礎作りに決して無駄ではないと考えています。
(大河原峠より浅間山を望む)
山岳国の日本なのですから、優秀なクライマーが育っても不思議ではない環境も備えているとも考えています。
ツール・ド・フランスで栄光のマイヨ―ジョーヌを身にまといアルプスの峠を登る日本人選手が現れる日を、私は待ち望んでいます。
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