(かつて私が落車した碓氷峠のヘアピンカーブ)
☆レース中の重大事故例
トム・シンプソン(イギリス):熱中症とドーピングの影響と言われています。
1967ツール・ド・フランスの登りでふらふらになり転倒、病院に搬送されたが死亡。
・ジョアキン・アゴスティーニョ(ポルトガル)1984 コース上に現れた犬をよけようとして落車して頭部を打ち死亡。ヘルメット着用無し。
・ファビオ・カサルテッリ(イタリア)1995年ツール・ド・フランスの下りで落車して顔と頭を縁石で打ち死亡。ヘルメット着用無し。
・ワウテル・ウェイラント(ベルギー)2115ジロ・デ・イタリア、下りで落車して縁石に顔から突っ込み、打ちどころが悪く死亡。
・ダーン・ミングヘール(ベルギー):2016クリテリウム・アンテルナシオナルのレース後心臓疾患で死亡。
・アントワーヌ・ドゥモワティエ(ベルギー):2016ヘント~ウェヴェルヘムで落車して立ち上がろうとした際、大会関係車両のオートバイが追突して死亡。
・ミハエル・ホーラールツ(ベルギー)2018パリ~ルーベにて心臓疾患のため死亡。
(道路には危険箇所がたくさんあります)
☆練習中の重大事故例
・ミケーレ・スカルポーニ(イタリア):2017年4月練習中飛び出してきた車にはねられて死亡。
・和田 力選手(マトリックス・パワータグ)2015年3月練習の帰路、下り坂での自損事故、電柱に衝突して全身打撲で死亡
・昭和50年代には確か国体のロードレースで優勝した選手が練習中の事故で亡くなっているはずです。
そして、昨年は、リオ五輪女子スプリントチャンピオン、11個の世界タイトルホルダーのクリスティーナ・フォーゲル選手(ドイツ)がトラックでの練習中の事故で脊髄損傷、歩行不能となりました。
☆重大事故を防ぐには?
・ヘルメット着用は必須です:1995年ツールやそれ以前84年のアゴスティーニョ選手はノーヘルでした。ヘルメットを着用していれば助かっていた可能性があります。(ただし84年当時は満足なヘルメットはありませんでした…)
・大会関係車両の規制が必要:テレビを見ているとかなり危ない走行をしているオートバイがあります。ペテル・サガンもひっかけられて転倒しています。台数や走行方法の規制が必要では?ヨーロッパでは慣れきっていることの怖さがあります。
・心臓疾患については選手のメディカルチェックの徹底が必要でしょう。ワールドツアーチームはともかく資金が少ないコンチネンタルチームでの選手の健康管理はどうなっているのでしょう?
(松本自転車競技場)
では、ロードとトラックどちらが危険か?
フォーゲル選手の事故はまことに不幸でしたが、私見としてはロードではないでしょうか?
和田選手も電柱に激突したようです。他にも危険な物が一般公道にはたくさんあることを頭に入れて走りましょう。
スカルポーニ選手も飛び出してきたトラックにはねられています。
練習中は交通規制していないので、レース中以上の注意が必要ではないではしょうか?
臭い物に蓋をせず、目をそむけたくなるような問題かもしれませんが、サイクルスポーツ全体と自転車という乗り物の未来のために、事故防止について考えていきます。