朝日新聞デジタルによりますと、16日午後7時50分頃熊本市で高校生が乗る自転車が、散歩中の高齢者に追突して。79歳の男性が死亡したとのことです。
高校生はロードバイクタイプの自転車で帰宅中、無灯火で歩道を走行中だったとのことです。
この事故での問題点は?
①無灯火だったこと
②歩道を走行していたこと
の二点ですが、他にポイントとして次の点が考えられます。
①どのぐらいの速度が出ていたのか?
②向かい側から走行してきたとのことですが、高校生は前方に歩行者がいることが認識できる状態だったのかということでしょうか?
速度については、ロードバイクタイプ若しくはロードバイクなら平地なら踏み込めばすぐに時速30~40㎞ぐらいまで加速できると思いますが、もし歩道で高速走行していたとしたらそれは非常識の極みでしょう。
熊本放送によりますと、幅員4mの歩道で高い位置だが街灯もある場所とのことでした。
私の住む地区では、毎朝中学生が通学自転車で、狭い歩道の下り坂をかなりの速度で走ってくることがあります。
朝の時間帯歩行者は少ないのですが、かなりの脅威です。
今回の事故はロードバイクタイプだったとのことですが、中学生の通学自転車はママチャリかせいぜいクロスバイクです。
ロードバイクタイプ若しくは、本格的なロードバイクなら確かに加速はしやすいのですが、結局エンジンは人間です。仮に歩道を走っていても時速20㎞以下でタラタラと走っていたらそれほど歩行者に脅威にはなりません。
しかし、ママチャリなどのシティサイクルでも歩道を傍若無人に走っていたら極めて危険であります。
例①スマホを見ながらのながら走行。
②歩道の下り坂を、スピードを出して走る。
③並走しながら友達と会話…
②と③はありがちなことにも思えます。
ところで、中学では私の時代はドロップハンドル禁止がでしたが、かなりの誤解もあると考えています。(多分今でも禁止なのではないでしょうか)
ドロップハンドルはそもそもスピードを出す道具ではなく、コースの状況(登坂、下り、フラット、向かい風)や疲労など身体の状況に合わせて①上ハンドル②ブラケット部(中間)③下ハンドルと大まかに三つのポジションに持ち替えることが可能な、優れた機能を持ったパーツです。
しかも、一般サイクリング程度なら下ハンドルを持つことが一度もないという日もあるぐらいです。(特に年を取ってくると疲れるのでトラックは別として、ロードでは好き好んで下ハンドルは持ちたくないです)
レースではなく一般的なサイクリングの場合下ハンドルを持つのは次のようなケースでしょうか。
①強い向かい風で空気抵抗を軽減するため。
②追い風に乗って平たん路で速いペースで巡航するため。等
練習やレースでは+次のケースでしょうか。
①スプリント練習、ゴールスプリント
②アタック、高速巡航練習
他に下り坂で安全のため、フォームやブレーキングを安定させるためしっかりとハンドルを把持するため下ハンドルを握るケースも多いと思います。
しかし、普通のサイクリングなら人にもよりますが、ほぼ80~90%下ハンドルは持たないと思います。
ドロップハンドル=危険なパーツなのではなく使い方が良くわからないので見た目で判断されるのは辛いことです。(ただし通常の通学程度ならドロップハンドルは不要と考えられます)
また、今回の事故を通してロードバイク=スピードが出て危険な道具というのも正しい判断ではないと思います。
私も場合により歩道を走らせていただくことはありますが、その場合は時速10㎞~15㎞のごく低速で走らせていただいています。
これなら大きな脅威にはならないと思います。
逆に下り坂を、スピードを出して下ってくる中学生の通学自転車に、私は恐ろしさを感じております。
いかにロードバイクが加速性、高速度の維持に適しているとはいえ、エンジンはあくまで人間ですから、低速走行するようにコントロールすることはいくらでも可能です。
ママチャリがスピードを出すのに適さないとしても、下りや平らな場所ならそれなりのスピードが出るので、場合によっては歩行者にとって十分な脅威になり得ます。
今回の事故は無灯火だったことが最大の過失ですが、ライトが標準装備されていないロードバイクでも、ハンドルに装着できるライトがいくらでも売っています。
夜間走行も行うようならきちんとライトを装着して点灯するように、誰かが指導しなければなりません。
未成年だったので保護者の責任もあると思いますし、交通教育にも問題があった可能性があるかもしれないです。
相手が未成年の場合、自転車を販売する側にも問題があると考えています。
ただ物を売るだけではいただけません。危険がないように、また交通社会の一員として守るべきことを指導する責務があるのではないでしょうか?
現在の日本の状況では歩行者・自転車・自動車の完全な分離が困難であり自転車の歩道通行も全否定するわけにはいきませんが、車両である自転車は車道左端を一列走行という原則だけはわきまえる必要があるのではないでしょうか。
自転車が歩道を走行することは、当然の権利ではなく、本来歩行者が歩くべきところを走らせていただいているのだと考えるべきでしょう。
このような事故が増加すると、排気ガスゼロ、渋滞緩和に役立つ、健康増進効果あり等自転車の持つ大きな可能性を潰してしまう恐れがあると危惧しています。
この度の事故でお亡くなりになられた方のご冥福を心よりお祈りいたします。合掌
また、私自身も加害者にも被害者にもならないように気を引き締めていきたいと存じています。