軽井沢バイシクルライフ

10年以上のブランクの後現役復帰した中年サイクリストの活動と昔話

悲しい事故

2019-08-06 21:43:55 | 日記

(日本でもロードレースを中心に自転車競技の人気が高まっています。さいたまクリテリウムにも多くの観客が集まります)

自転車サイトのシクロワイアードやサイクルスポーツによりますと、現在ポーランドで開催中のツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)第3ステージ(8/5)で発生した落車事故により、ベルギーのビヨルフ・ランブレヒト選手(ロット・スーダル)が死亡したとのことです。

詳細は不明ですが、スタートして50㎞地点でコンクリートの構造物に衝突したとの報道です。

今年のツール・ド・フランスで優勝したエガン・ベルナル選手と同じ22歳という若さでした。

昨年の世界選手権アンダー23で銀メダルを獲得、才能にあふれ輝かしい未来が待っていたかもしれない若い命が突然の事故により途絶えてしまいました…

以前からこのブログでは、レースでの重大事故の発生リスクはトラックレースよりもロードレースの方が高いはずだと度々主張させていただいておりました。

一般公道は、競争をするために作られてはいないため、周囲には危険な物が沢山あると…

しかし、ベロドローム(自転車競技場)にはコンクリートの構造物や立木、道路標識等衝突したら大けがや命取りになる物体はない。曲がりくねった峠の下り坂もない。

だからロードレースの方が、リスクが高いと申し上げてまいりました。

しかし、この度またもや悲しい事故が発生して、尊い人命が失われました。

自転車乗りとしてこれほど悲しい事はありません。

(雨の中で行われた今年の全日本ロードでも落車が頻発していたようです)

ユーチューブを見ているとロードレースのクラッシュシーンだけを集めた動画がありましたが、そのようなシーンを集めて喜んでいる人がいるとしたら実に不健全であると、不快な思いになったことがありました。

日本では、ヨーロッパほどの自転車文化が浸透していないため、レース開催ではかなり神経質になっている所はあるかもしれません。

逆に、ヨーロッパでは慣れすぎていることでの危険があると考えております。

また、最近の傾向として日本でも近年は、レース数や自転車イベントが増加したためか重大事故の発生率も高まっているように感じます。

そして、今回の世界最高レベルのワールドツアーの大会で重大事故が発生した事は、自転車競技の未来に暗い影を残しているように思えてなりません。

今後も国内外で重大事故が続きますと日本のサイクルスポーツの発展にもマイナスの影響を与えるのではないでしょうか?

そして、このような事故を防止することが、自転車競技全体とサイクルスポーツの将来のためには最重要課題なのではないでしょうか。

自転車競技、サイクルスポーツの未来のための具体的な安全対策は?

・完璧には無理だが危険な物体は緩衝材でプロテクトする。(気休めかもしれませんが)

・本当に危険だと考えられる区間はニュートラル走行にする。(レースの面白みは少なくなりますが…)

・トップチューブの乗っかるダウンヒル等危険な走法の禁止。

・既に1チーム当たりの出走選手がグランツールでは一人減らされて9人⇒8人になっていますが、他のステージレース、ワンデーレースでも、1チームあたりの出走選手をもっと絞る。(例えば6名程度に)全体の出走者も少し抑える。

・無線による監督からの指示も逆に落車の原因を作っている?⇒狭い所で「前に出ろ!」等の指示を各チームで一斉に送るとの栗村修さんのご指摘もあります。そのようなデメリットがあるとすれば無線システムも廃止が必要では。

・報道等関係車両のオートバイの数を減らす。(接触事故も起きている)

・心疾患対策では選手のメディカルチェックの徹底。(突然死も起きている)

・国内については、選手強化のスタッフも大切ですが、安全に自転車に乗ることを指導できる指導者の養成が急務では?

・特に国内では難しいですが、安全なコースを設定する。

・トラックレースでは高度な技術が必要なマディソン等のリスクのある種目は選ばれた選手だけが走れるようにする等々

(JICF松本国際トラックでのマディソンです。私はリスクを伴うこの種目をどうしても好きになれません)

 今年5月にも宮古島でのロードレースでゴールスプリント時の落車で死亡事故が起こっていたのですね。(最近知りました)

しばらく前の上尾のクリテリウムでも同様の事故で亡くなった方がいました。

スポーツサイクルという乗り物というのは、確かに最初はビンディングペダルも怖いかもしれませんが、少し練習すれば一応は乗りこなせることができるようになるものです。

しかし、レースにおけるマナーやコーナリングなどの技術、安全な走行(自分の走行ラインを保持して、斜行などしない。特にスプリントに入ってからの急激な進路変更をしない)ができるかということ。

またそれを指導してくれる人がいないまま何も知らないでレースやエンデューロイベントに参加する人がいるとしたら、それは重大事故も起こります。

正しい知識や技術、安全走行のマナーを知る事と、それを指導する人を増やすことが少なくとも現在の日本では最も重要なことだと思います。

まったく落車がないというのは不可能としても、いかにしたら重大事故を防ぐことができるかという視点が大切だと思います。

上尾や宮古島の事故を教訓として、競技や自転車イベントに関わるすべての人が事故対策を真剣に考えなければ、安全対策を無視してレースやイベントの開催を続けて、今後も重大事故が続けば、日本の自転車競技やサイクルスポーツの未来はないものと考えるべきではないでしょうか。

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