二千円札の主な存在意義は,千円札の流通枚数を減らすことにある.とりもなおさず,それは千円札の製造にかかるコストと環境負荷を小さくすることにつながる.
二千円札を最大限に活用すれば,千円札と二千円札を合わせた需要を枚数ベースで4割減らすことができる[1].2008年度に製造される千円札の枚数を15億枚[2],1枚あたりの製造コストは15円程度[3]とすると,年間90億円程度のコストを削減できることになる.また,紙幣1枚の質量を1グラム[4]とすると,600トンもの紙資源を節約できることにもなる.
国家予算の規模と比較すれば年間90億円くらい大したことはないと思われるかもしれない.しかしながら,そう思われる方も,普段は「税金の無駄遣いは一円たりとも許せない」と思っているのではないだろうか.また,紙幣1枚に使われる紙はわずかでも,6億枚ともなれば大変な量になる.
国家の財政と地球環境を考えれば,二千円札を流通させることの重要性は明らかである.他券種と紛らわしい,計算が面倒であるといった問題は,習熟することにより乗り越えられてしかるべきである.
[1] 原始的かつ大雑把な見積もりではあるが,1,000円,2,000円,3,000円,4,000円の取り引きをそれぞれ1回ずつ行うことを考える.これに必要な紙幣の枚数は,千円札のみを用いた場合に計10枚,二千円札を最大限用いた場合に計6枚(千円札2枚,二千円札4枚)となる.
[2] 財務省のサイトにあるページ「平成20年度 日本銀行券製造計画: 財務省」による.
[3] はっきりした値は分からないが10~20円と言われている.
[4] 札束1億円分(一万円札が10,000枚)の質量が10kgだそうである.
二千円札を最大限に活用すれば,千円札と二千円札を合わせた需要を枚数ベースで4割減らすことができる[1].2008年度に製造される千円札の枚数を15億枚[2],1枚あたりの製造コストは15円程度[3]とすると,年間90億円程度のコストを削減できることになる.また,紙幣1枚の質量を1グラム[4]とすると,600トンもの紙資源を節約できることにもなる.
国家予算の規模と比較すれば年間90億円くらい大したことはないと思われるかもしれない.しかしながら,そう思われる方も,普段は「税金の無駄遣いは一円たりとも許せない」と思っているのではないだろうか.また,紙幣1枚に使われる紙はわずかでも,6億枚ともなれば大変な量になる.
国家の財政と地球環境を考えれば,二千円札を流通させることの重要性は明らかである.他券種と紛らわしい,計算が面倒であるといった問題は,習熟することにより乗り越えられてしかるべきである.
[1] 原始的かつ大雑把な見積もりではあるが,1,000円,2,000円,3,000円,4,000円の取り引きをそれぞれ1回ずつ行うことを考える.これに必要な紙幣の枚数は,千円札のみを用いた場合に計10枚,二千円札を最大限用いた場合に計6枚(千円札2枚,二千円札4枚)となる.
[2] 財務省のサイトにあるページ「平成20年度 日本銀行券製造計画: 財務省」による.
[3] はっきりした値は分からないが10~20円と言われている.
[4] 札束1億円分(一万円札が10,000枚)の質量が10kgだそうである.