よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

6月のコラム

2011-06-25 05:39:03 | 住まい作りコラム

私の親父は80年程生き命を閉じた。
大正生まれで、青春と言われる時代は戦争の中に生き、
終戦を迎え広島の原爆の後始末をしたと聞いている。

幸い放射線による影響も無く生きることが出来た。
戦地では地雷に引っかかり車ごと吹き飛ばされ、片方の耳は
聞こえないと言っていた。

捕虜を処刑する際、軍刀で首をはねたとも聞いている。
戦争の話はあまり多くは語ろうとしなかった親父だったが
生死を味わい、生き残るため人の命を奪わなければならなかった
そんな生き様は私達が理解出来ない生き方だったに違いない。

戦争が終わり、全く焼け野原となった日本。
東日本の被災地を映像でみるにつけ、戦後の日本も
こんな状態だったのだろうと想いながら見ている。

ゼロから出発し豊かな日本と言えるまでになった現在
過去の人達が、一生懸命復興に向け日本の経済を立て直し
生活を安定させた。

私達は今、豊かな時代に生まれ、苦労を知らない
経験をしない世代で、浪費をし資源は有限の物だとは
考えず、使い捨てに甘え、欲しい物を簡単に手に入れてきた。

今後日本は、もう少し私達の諸先輩が作り上げてきた日本
を守る事を考えなければならない。
積み上げてきた貯金を浪費するのでは無く、
少なくとも、その貯金に利子ぐらいは付けなければならないのでは無いだろうか?

 


住まいづくりコラム

2011-05-29 17:04:20 | 住まい作りコラム

第二回住まいづくりコラムが発刊されました。
今回か、価格の意識を持つと言うことについて書きましたが、
まぁ・・多分わかりきった事であるとは思うのですが、私自身も
結局分からない分野については、誰かに頼ってしまうのは確かで
問題は誰に頼ればいいのかと言うことなんでしょう。

私はコンピュ-タ-の事に関しては全くの素人で、システムを組み上げるなんて、殆ど音痴に近く、何をどうすれば、4台のPCを繋げることがわからなく、大阪の業者を信頼し、言われるがままに支払っていました。

その後、その会社が倒産し、自分でやらなければならなくなり、
分からない分野であっても、PCを買い換えの時は、そのスペックを調べ
ている内に、理屈が分かり、今までに支払っていた金額の半分以下の費用で、PCを手に入れる事が出来、設定だけをプロにお願いする
方法に行き着きました。

一度、パソコンの本を買ってきたのですが、それは無駄な抵抗であり
熟知するには、基礎の基礎から学ばなければ理解出来ない事がわかり、結局知識はプロから買う事にしたのです。

このように、価格の意識を持つと言うことは、単に一つ一つの物の
価格を知る事では無く、どうすれば無駄をなくし欲しい物が手に入るのかを考え、単純にプロだから信用するのではなく、そのプロがどんな知識を持ち、どのような仕事をしているのかを理解することが大事なことなんでしょう。

お金を託すのではなく、想いを託し、その想いを形に変えてもらう知識を
買う事が大事なのだと思います。


連載「住まいづくりコラム」

2011-05-21 07:34:05 | 住まい作りコラム

今月も原稿の締め切りがやってきた、一ヶ月の過ぎるのがこんなにも早いのかと驚く。
待つ時間は長く感じるが、追われる時間は短く感じてしまうのは皆様同じように感じていると思います。

物事には決まりがあり、一方的な決まりと、双方の納得の上での決めごとの二つに分類され、今回原稿を提出したところ、新聞社から修正案が届いた。
前回のような、削除文字はなかったのだが、読んでいくと何か自分の書いた文章とは違う!
何処かが違う?・・・と、もう一度読み直してみると、全てが 「です。」「ます。」
調で終わっている。
私は文才はもとよりあるとは思っていない、だから です、ます、調がどっちを向いていてもあまりこだわっていないが、言えることはその決まりの中に当てはめる事により、伝えたいニュアンスが変わってしまえば
その価値はない。

日本人は、・・・とまた書きたくなるのですが、・・・決まりごとを作るのが得意で、多くの決めごとを作ってしまう。
これは、日本の教育の中にあり、どこを切っても金太郎の教育方針によるところが強いと思われる。
何でそんな決めごとをと、その意味を聞いても、明確な答えが返ってこない事が多く、決めごとの中で仕事をこなすのが、楽だからとも言える。

です、ます、調で終わってしまえば、逆に読者に不快感を与えてしまう
文章も出てくるが、そこには気付かす、です。で終わり、ます。で終わっていれば納得する。

建築の世界でも 常識というものがあり、それを無視する訳にはいかないが、しかし常識と言われる決めごとを理解した上で、お客様にはその常識で縛られる事なく、それを超えた、意味のある物を作り出すのが
プロの仕事なのだろう。

文章も同じ事で、伝える側の意思があり、読む側の受け取り方がある。
しかし、言葉を統制することにより何が生まれるのだろう?
いろんな記事を並べたとき、綺麗に見えるからなのか?
新聞はあくまでも媒体として役目を果たし、企画、構成により、読みやすい配置や綺麗さは配慮しなければならないのは確かにあるだろうが、しかし、です、ます、調がそれに当てはまるとは思えず、それより大事なことは、書く側は、書く人の常識のあるモラルの中で書けばよく、読む側はその人の理解力や、好みによって読まれればそれでいいのではないか?

それを平面的な二次元の世界にはめ込んでしまうのはどうなんだろう?
言葉は二次元の世界ではなく、三次元の世界になり、四次元の世界に膨れあがらないと言葉の価値はないように思うのです。


喫茶ムロ訪問

2011-05-14 16:43:10 | 住まい作りコラム

午後喫茶ムロを訪問。
第一の目的は預かってもらっていた豚バラブロック3㌔二枚が残っているので、一枚を残し、ベ-コンを仕込む為取りに伺った、・・・でついでに・・・(爆)

来る6月20日のイベントに向け、地下を一部改装するため、その下調べの為伺ったのだが、こう書けばムロママは憤慨するだろう・・(笑)
しかし、そこは永いおつきあい、一言反論したいであろう気持ちを察しながら、あえて書くのも面白い!

今日伺った時

「今日のブログ読んだよ」

「私は檀さんところで設計してもらったから言いたいことよく分かるけど」

「一般の人がブログ読んでも書いてることは確かに分かるんやけど
ピントこないんじゃないかなぁ」

と・・・「ふむふむなるほど!」
「一般の人は建築の内容は分からないから、せめて保証のしっかりした
メ-カ-を選ぶしか方法はないんじゃないやろか?」

確かに、ムロママのおっしゃる通りかもしれない。
過去に設計させていただいたクライアントの皆様は、みんな家造りに情熱を持ち、自分流の家を予算内で建てたいと思ってる人たちばかりでした。
現場監督が、ある日「檀さん・・檀さんところにくるお客様はみんな
色が濃い人たちですねえ!」と言われたことがある。

それは悪い意味ではなく、いい意味での表現で、
彼曰く・・・個性をしっかり持ち、自分の作りたい要望をしっかり持った人が多く、最後まで諦めない人達だと。

確かに高額な予算で家を建てるのだから、保証は勿論のこと
自分の望む家を手にするのが家を建てる目的で、「何でもいいですから
保証がついて雨露しのげたらいいです」・・・と思っている人はいない。

誰もがみんな、予算に見合った家を建てたいと望んでいる筈です。
「じゃあ誰が予算に見合った家だと判断するんですか?」
と聞かれそうですが、確かに予算に見合った家を一般のクライアントには見抜けないし、複数の見積書を見比べてもその答えは出てこない。

現場経験をし、予算を組み上げる事が出来、流通の仕組みが分かり
材料の品質やその原価をはじき出せる知識がないと、施工業者から出された見積もり書を正確にジャッジすることは出来ない。

今は保証を条件に決める必要はない、3年前から国が保証をつけることを各施工業者に義務づけ、一人親方の大工さんが直接工事を請け負ったとしても、メ-カ-と同じ保証が付き、仮にその大工さんが廃業しても、その保証は生きる仕組みになっている。

100年保証をうたい文句にしている業者も見かけるが、100年保証できる建物は作れない。
100年保証と書かれていても、結局国が定める10年保証に基づき
10年ごとに建物の調査をされ、悪いところは有償でメンテナンスし
その業者が決めた内容にならないと更新されないようになっている。



第一回コラム

2011-04-23 10:53:11 | 住まい作りコラム

第一回目「住まいづくりコラム」を発信が始まりました。
和歌山県約14万部が配布される。
これから一年間12回の記載となるが、コラムから
ブログを知っていただき、「住まいづくりとは何ぞや?」
を、今一度考えていただくきっかけになればと思っています。

一人一人には違ったライフスタイルがあり、
それに合った家に住み、望みを一杯詰め込んだ家に
住みたいと皆が望んでいる筈。
しかし、現実はなかなかそうはいかず、
望みを叶えようとすれば資金で頭打ちをし
わくわくしながら描いた設計図を資金調整の為
夢を一つ、また一つと諦めを強いられ
その為、家づくりの情熱も薄らぎ、諦めの中で
すすめられていくのでしょう。

一般には現在物づくりの原価は知る術は無く、
「高くつきます」と言う言葉を信じ、出された予算書
を受け入れるか、諦めるかしか方法はありません。

家づくりの原価を知り、施工業者の経費を知り
無駄を省き、納得した予算の中で夢を叶える
術をもっと深く追求しなければ、業者言いなりの
高い家を建てることになってしまうかも知れないのです。

今回、着工から引き渡しまで、N邸の経過を
アップししてまいりました。
原価を追求し、施工業者と長い時間をかけ
方法論を考え、工夫を凝らした結果
N様の要望の殆どを満たす事が出来たのではないかと
私は思っています。

N邸が安くできたのではなく、施工業者も
その下の職人も、納得した予算で進めることが出来たから
いい住まい、N様が満足できる家が出来上がったのだと思います。
値切りではない、価格の交渉があってこそ、
無駄のない、夢を諦めない、家が出来上がるのです。