人は皆、住まいづくりには、一杯夢があり、要望があり、それらを出来るだけ多く満たしたいと思っているが、まず第一歩を踏み出さなければ事は始まらず、住宅雑誌を買い、どのような間取りにするか家族で話し、結局上手くまとまらない為”勉強”という理由で、住宅展示場巡りを始めるのが、一般的な家づくりの始まりとなる。
進む選択肢で、住まいは自ずと決まってしまう場合があり、自分の意思に反し、思うようにならず、結局は「おしきせ」の住まいとなってしまい、思い通りにならない場合がある。
何処と話しを進めようが、予算を考えることなく、資金にゆとりのある人は、何処に依頼しようと思った事は叶えることは出来るが、殆どの人は予算に限りがあり、無理のない所で望む家が出来ないものかと、思案し、思いを託す事となる。
住まいづくりをどのように進めて良いのかも分からず”とりあえず”展示場巡りをし、訪問した業者の中に、接客してくれた人がとても優しかったので”とりあえず”その業者にプランを書いてもらうことになり、要望を言い、出てきた予算は希望金額を大きく越えてしまい、予算の範囲内で納めるには、夢を諦めなければならなくなってしまい、夢の多くは予算に潰され、妥協の中の家づくりとなってしまう場合もある。
私は、家づくりに迷っている人に例え話をすることがある。
例えば、ご主人が道路を走っていたとき”美味しい大根5本1000円”の看板を見て、奥様を喜ばせようと5本1000円なら安いだろうと思い、奥様の喜ぶ顔を思い浮かべながらその大根を買い、家に持って帰り、
「お~~い立派な大根があったので買ってきたぞ、5本も入って1000円だって!」
優しい奥さんなら、「あら・・立派だ事、ありがとう、でも今度買うときは電話頂戴ね!」というかもしれないが、そんな優しい奥様ばかりじゃなく、「何でこんなに高い大根かってきたの?」
「高いでしょう!・・一本2百円もする大根なんて!」と怒られてしまうのが落ちになるかも知れない。
大根一本の相場がいくらか知らない奥様は殆ど居ないだろう。
ス-パ-に買い物に行けば、大根一本95円程度で売っており、豊作の時は80円で買える事も知っている。
されど、1000円で目くじらを立てて怒る金額でもない。