よく分かる 住まいづくり・・(檀建築コンサルタント)

私達の考える住まいは、住まいづくりの原価を探り、無駄のない資金で、遊び心のある家を作る事。

回想ー8

2010-12-29 20:02:18 | 回想

 何かを成し遂げようとする時、人はそれぞれの思いを持ち、それにむけて一生懸命努力をし、足りない部分は誰かの力を借り思いを遂げようとする、その思いに共鳴し人はその思いに動かされ、同じ喜びもらい、人に与え、それが共鳴しあい可能性を高め、思っていた以上の出来上がりとなる事がある。

一人の力には限りがあり、その限界をカバーし合い成し遂げるのは一つのチームであって、強要されたりお金で動かされたりで
出来上がるものではないのだろう。
資本主義社会の中において、確かにお金の力を否定することは出来ないが、2000万円の資金で作る家より、5000万円で作る家のほうが材料を選ぶにも苦労なく決めることが出来るかもしれない。

高価なものを使って建てる家は高級な家と言われるかもしれないが、物づくりの中においても決してお金で買えないものがあり
造る側の思いが生かされてこそ心に染み込む物が出来、
物差しでは計れない高級感を味わえ、飽きることの無い満足感を手に入れることが出来るのだろうと思っている。


回想ー7(連載)

2010-12-28 09:01:33 | とりとめもなく

予算節約の為、施工業者の経費までも節約しなければ予算内では収まらなくなった。
パソコン5台分を経費に注ぎ込めば工務店の経費は出たのだが、
それも認めず、とにかく自分の資金を最小限に抑え、自分の気に入る建物を建てたかったのだろう。

Aさんは、過去に住まいを建てた折、その建物を設計した設計者に対し、気に入らないので出入り停止にしたのだと言っていた。
多くの時間をかけ、打ち合わせを行い、海外の業者と値段交渉もし
コンテナーも日本に着き、仮置き場の場所も確保し、工事は止めることは出来ず、どのような結果になろうとも建物が完成するまで引くことは出来ないと思った。

自分の思い通りに進まない不満が出始めたのだろうか
「私の望む家を設計していただけるのは貴方しかいない」と言って再契約をと言った時のAさんとは違っていた。
人間とは本来勝手な動物なのかも知れない。
自分の求めるものが手に入れば喜び、賛美し、褒め称えもするが、
思い通りにならなくなったとき、それが自分の原因であっても、誰かのせいにしそれを認めようとしない。

原因を認めず、強引に思い通りにさせたとしても、感激や喜びを
手に入れる事は出来ないだろうが、心を満たす事はAさんにとっては
自分の欲しい物を手に入れる事だったのだろう。


締めくくり

2010-12-27 13:50:42 | とりとめもなく

今年もあと4日で2010年が終わる。
暦の上での決め事とは言え、毎年年末を迎えると反省と新しい年に向けての思いが浮かぶ。

思い通りに行かないのが世の常、思い通りに行かなかったのは努力の無さか?
物づくりの仕事の中ではストレスは無く、夢を共有しながらお客様に喜んで頂ける仕事につけ、楽しく仕事をさせていただいている事は幸せな事だと思っている。

物づくりに限らず、人と人の関わりを考えた時、もっと素直に人と人が関わりながら事を動かせば争い事もなく穏やかに事が進むのだろう。
お互いの立場を理解し、自分の身の丈をも知り、背伸びする事無く、
欲張りをする事無く、可能な中で最大限の努力をし、お互いを思いやる心があれば何事もうまく進むように思うのですが、なかなかそうも行かないようです。

私達の仕事は、高額な買い物をする人たちの手助けをし、注ぎ込む資金を無駄にさせない為の立場にあり、住む人に喜びを生み出す仕事であって、そこには押し付けや、おごりがあってはならず、価値ある物を提案し、安心して暮らせるものを創らなければならない。

2010年の終わりに、2011年に向け、新たな発想と、住まいづくりを考えてる人達の役に立てる存在でありたいと思っています。


新しい発想に向け

2010-12-26 18:59:14 | 物づくり

15年前、事務所を立ち上げた時考えた一つの夢は、物づくりの原点に戻り、造る側と依頼する側が同じ目線で同じ目標を持って物づくが出来ればお互いが喜びを感じ、探り合いもなく物づくりが出来、住まいにかかる費用を出来る限り建物に生かしたいとの考えは今でも変わっていない。

少ない資金でも、贅沢な建物が作る事の出来る発想を持ち、家にかける資金が少ないからと、安い建物を選び満たされないまま我慢を強いられることのない住まいづくりをするには、依頼者、設計者、施工者が一緒に同じ方向を向き、三者が納得できる建物をつくる為、同じ目線で挑めば必ず夢は実現する筈。

住まいの概念に捕らわれず、自由な発想と、全てをオープンにし
三者タッグのプロジェクトを組み、同じ夢を持ち、価値のある物づくりに挑みたいと思っている。
新しい年に向かって、新しい住まいづくりを提案していく事が、来年の目標と考えている。

全てをオープンにすれば、探り合う必要も無く、疑心は生まれず、
本当に楽しい物づくりにの中からは 
必ずいい住まいが生み出される。


回想ー5(連載)

2010-12-24 07:29:07 | 回想

Aさんとのプロジェクトを、相手のプライドを気にする事無く正直にこちらの考えを伝えていれば再度の依頼は無かったのだろうが、プライドを保ったまま終わらせた事のよって、Aさんは再依頼も躊躇なく出来たのかもしれない。

受ける条件として、住まいづくりの順序はこちらが決め進める事と
契約条件に従って進めることを条件に家作りを進めるよう納得していただいた。
一階の居住部分から打ち合わせをはじめ、二階からロフトへとプランニングを進め、家に使える予算を決めその予算の中で精一杯の家を造るために、Aさんにはこちらの意見も理解していただき順調に進み、図面も出来予算を出すところまでは問題なく進んだ。

要望も多く、Aさんが希望する予算内では収まるのも難しいと思われたが、とにかく予算を施工業者に出してもらい、それから調整しようと
話し合ったが、予算オーバーした調整でAさんは自分の要望を満たさなければ納得出来なかったのか予算のなかで全てを満たすことを主張し始めた。

「貴方なら出来るはず」と言い張り、「そのため貴方にお願いしたのだから」と引くことをしなかった。
原価で作るということは、100円のものを100円で買うと言う事なので
それ以上は安く買えないと言っても理解してもらえず、予算を縮小するため、最後の手段とし、分離発注の手段を提案し、工務店に依頼せず
大工に全てを任せる提案をし、予算を出してもらった工務店に事情を説明し、こちらの内情も納得していただいた。

方向性も決まり、工務店から出された見積書を組みなおし予算はAさんが納得する金額となり、大工さんと契約書を取り交わしたが、今度はその大工からAさんの仕事は請け負うのが不安だと断りの電話がはいった。
ここまで来て、契約も交わし不安だと言う理由で契約解除をすれば
契約不履行になり、Aさんには通用しないと考え、大工さんを説得し
三者が話し合い、とにかくこのプロジェクトを進めるため、お互い
精一杯のものを作るために進める事を確認し、進める事で話し合いはつき工事は着手された。

 



基礎完了

2010-12-22 15:21:58 | N邸新築工事

N邸基礎コンクリート打ちが完了した。
コンクリート養生期間を考えれば、年内は一階ステージまで進めるのは難しくなってきたが、大工が年内何日まで動くかが問題となってくる。

この年末に来て、雨で何日か基礎工事も進めなく、雨がなければ
ステージまで終え新年を向かえたかったが、無理は禁物。

結構手間がかかったが、文句一つ言わずもくもくと仕事をする
基礎屋さん、多分利益は殆ど残らないかも知れないが、受けた以上文句を言わず最後まできちっと仕事をこなすのもその人の人間性による。

このような職人は貴重な存在であり、いい人材が揃ってこそ良い家は出来、職人気質が良い住まいを造ってくれる。


回想ー4

2010-12-22 07:40:50 | 回想

信頼の中の人の繋がりが穏やかな関係を作り上げ、行き違いがあったとしてもその関係の中で修復できるが、金銭の絡む中においては、ともすれば損得が表に出て信頼が単なる言葉として使われる場合がある。

誰でも安くて良いものを手に入れたいという欲望はもっているし、自分の思い通りになれば満足感を得られるが、自分ひとりで出来ない場合は、分からない部分は専門的な知識を持った人に思いを託さなければならないが、それはあくまでも託す相手と信頼感の中から生み出されるものであり、お金の力で動かすものではないはず。

自分の飼っているペットが病気になり、貴方は医者だから治せる筈だと言っても、治せる場合もあり、死力を尽くしても治せず死んでしまう場合さえあり、死んでしまったのは貴方の責任だとは普通は言わない。

Aさんと契約解除し半年が過ぎた頃、Aさんご自身から電話が入った。
「もう一度 設計依頼したいのですが受けていただけないでしょうか?」

 


 


デッキテント

2010-12-21 07:38:28 | 物づくり

デッキのテントを吊ることが出来ました。
ミシンを壊し、安物買いを実践、し実感した。

通販で買ったジャノメミシン、デニムを5枚縫える!
それに飛びついた。
速度切り替えも出来ず、手元照明も無く、徹底して安く
作っただけのミシンであることが、使って初めて分かり、
「やっぱし・・そうか!」と思いつつもう少しで終わるのに
「バキッ」・・・・・って音がした。
下糸を拾いあげなくなり、分解しようと思ったが
諦め電気店に走り、同じくデニム5枚縫いが出来、
糸通しがあり、手元照明と二段階スピード付きの
ジャガーミシンを・・・・・・・。

       

縫製に時間がかかり、肩はこり、歯は浮き!
細かいところには不満はあるにせよ、まあ総合的には合格点。
後は・・この生地の劣化がどの程度なのか観測・・一年持つだろうか?

         

モカとサクラは大喜びで、朝一番二匹が遊ぶのが日課となりそうだ。


回想ー3(連載)

2010-12-20 09:42:25 | 回想

どのように終わらせれば良いかを考えた末、Aさんから断ってもらうようにと考えたが、今から思えばそれは逆に自分の中の”おごり”であって、相手を思いやるというのは奇麗事に過ぎなかったのかも知れない。

終わらせた方法はともかく、Aさんはこちらの思惑通り白紙撤回を求め、こちらもそれに応じ、契約金の全てを返金することにした。
Aさんはそこまでしてもらわなくてもいいと言ったが、こちらとしては
こちらから終わらせる場合は全てを返金する事に決めている為、
内情はAさんには分からないにしても、とにかく返金し、
このプロジェクトは終わった。

ここで終わってしまっていれば自分の中の反省で終わっているのだが、終わらないのが不運だったのか良いほうに考えれば試練だったのか、
とにかく六ヵ月後このプロジェクトは動き出す事となる。


回想ー2(連載)

2010-12-19 22:59:55 | 回想

来られたお客さんAさんはその後数回訪れ、契約の運びとなったが
説明した契約金の半分を持ってきたのだった。
こちらとすれば契約金はいくらでもいいと思っているが、契約とは
その人を信頼し、契約内容にしたがってこそ正立するが、最初から
試されているようで、半信半疑のまま打ち合わせは進んでいった。

契約後何ヶ月か進んだ折、想像した通りうまく歯車がかみ合わなくなり
自分の思ったとおりの順序で進まないと気に食わないのか、ロフトを先に設計して欲しいと言い、全体が見えないとロフトは作れないとこちらは説明するが、Aさんは聞き入れようとはしなかった。

Aさんの夢は良く分かるが、家は住むために建てるものであり、キッチンやその他の生活空間を煮詰めた上で、構造を考え骨組みが出来、ロフトの位置が決まり 、外観を描く事が出来る。

メールを書き、話をしたが理解してもらえず、結局このまま進むと、お互い納得できる建物は無理だと判断し、どうやって事を終わらせようかと考え、相手のプライドの高さからすればこちらから断るわけには行かないだろうと考えたのが間違いの始まりだったのかもしれない。


回想-1(連載)

2010-12-19 12:19:29 | 回想

思い起こせばこの業界に身を置き、既に37年になる。
何事も無くここまで続けてこれたのも幸せな事かも知れないが、
人と人の関わりの中において、全てが平穏に来られた訳ではなく、
時には食い違いが発生し、思いを叶えてあげられない結果に終わる事もあった。

この事務所はログハウスで建て、展示場も兼ね備え、ログ好きの訪問者も多く、年間1~2棟の注文を受ける。
ある日40過ぎの体格のいいお客さまが事務所を訪れた。

「ここは、ログハウスも建てていただけるのでしょうか?」
事務所に招きいれ、説明をし一時間ほど話をした後、彼の情熱と
それ以上の強い個性と、我がままさを持っている事がわかった。

帰り際に、
「貴方は はっきりした色をお持ちのようです」
「個性の強いもの同士が 事を一緒に成す場合、うまくいけば
 最高のものが出来、間違えば最悪になるケースがありますので
 よく考えて決めて下さい」・・・と伝えたのだった。

私自信は個性の強い人間だとは自分では思っていないが、
人は、貴方は個性の強い人間だと言う。
私はただ、おかしいものはおかしいと言い、嫌な物は嫌だと言うだけで
ここをはっきり表に出すと、個性が強いと言われるのかも知れないが、
へつらうのが嫌いで、機嫌を取るのも嫌いなだけで、素で生きられればと思っている。


デジブック 『住まいづくり』

2010-12-17 18:09:21 | デジブック

私達が提唱する住まいづくり


住まいは居心地よく
自分の個性に合った家であること。

望みを叶えられた家であること。

我がままいっぱい詰め込んだ家で
我慢することなく作る事。

余分な経費は排除する事。
見積もり金額は全て原価で見極める事。

無理の無い予算の中で精一杯の
要望を満たした家を作る事。

 

デジブック 『住まいづくり』


寒さ到来

2010-12-17 09:25:46 | とりとめもなく

今日、和歌山は小雨交じりの曇り空、もう少し気温が下がると雪になりそうな気配です。
薪ストーブが大活躍。
今年は薪は豊富で、心置きなく炊くことが出来るのは、愉快でもある。

出来事と言えば、椅子の油圧が壊れ椅子が下がったまま上に上がってこない。
10分程格闘の末結局諦めることにし、座布団をかまして調整
それを見ていた娘が笑い・・・穏やかな時間が流れている。

寒くなると、布団の中が心地よくためらってしまい、挙句の果ては二度寝となり寝過ごす羽目に。
今朝は、目覚ましをセットしたはずが、何故か止まっていおり、
ゴミ収集車においてきぼり。
ジープで後を追いかけ、無事処理完了。

犬は散歩に行きたく、ハーネスを銜え事務所の中をうろつき、出勤してきた人に散歩をせがむ。
フリスビーを銜え散歩にでて、泥まみれで帰ってきて朝シャン。
身を切るような冷たい水でもへっちゃらで、シャワ~にしてやれば
転げまわって受け入れる。

こうして事務所の一日は始まる。


デジブック 『D邸建て替え』

2010-12-15 20:48:12 | デジブック

お父様が残してくれた家。
出来ればそのまま残してあげたいと思った。
増築を繰り返し、「家をさわるのが好きだったんです」・・と。
家に対する思い入れの強かったのでしょう。

デジブック 『D邸建て替え』

 


基礎

2010-12-15 14:04:39 | N邸新築工事

基礎仮枠と鉄筋配筋工事が明日で完了し、17日基礎スラブコンクリートを打設の予定。

 

         

 

 

         

鉄筋も綺麗に配筋されており、スラブコンクリート打設後、外部周りと内部の立ち上がり基礎のコンクリートを打たなければならず、出来れば今年中に躯体を立ち上げ正月を迎えたかったのですが、擁壁に結構手間取った為、年内は難しく、正月明けの棟上となる見込みです。