洗面
香り杉と人造大理石・・浴室の湯気を吸えば、香り杉はその匂いを出し
作られた匂いとは違い、心地よい。
家族分の下着ストック収納があり、杉が湿気を調整し、引き出しの中の着替えも
湿気を含ます、洗った時の着心地を保つ。
さくら と もか
紀州犬の さくらは3年前に事務所に来た。
その後、生後3ヶ月のモカがこの事務所にやってきて、はや2年が過ぎた。
犬を飼うきっかけになったのが、防犯の為飼うことにしたのが始まりで、過去にこの事務所に泥棒が入り、39万円が盗まれ、悔しい思いをした。
犬を飼うことを思いついた時、散歩は必ず行く事を自分に言い聞かせた。
この場所は紀ノ川河川敷に近く、犬を飼うには絶好の場所で有ることも手伝って、決断したのだが、毎日の散歩は自信がなかった。
しかし、人は縁に触れて変われるもので、面倒くさがりの私が、可愛い愛犬の喜ぶ姿を見ると散歩に連れて行ってやりたくなり、雨の日も風の日も、
一日6㌔を歩く。
事務所の中ではフリ~にしているが、散歩は彼女たちに取って、特別な一日のイベントなんだろう、散歩に行きたくなれば、ハ~ネスくわえて持ってくる。
チョコラブもかは事務所の中で、一日中遊んでくれそうな人を探し、おもちゃをくわえて誘いに行く。
紀州犬さくらは、デッキの端っこに座り、通り過ぎる車を眺め、歩道を歩く人を驚かせ、一日を過ごす。
住まいづくりは出逢いから始まる。
建物も出会う人によって、その形や中身が違い、二つを見比べる事は出来ず、一つの物づくりに最新の注意を計り、住む側の意思を正確に伝えなければならない。
自分達の叶えたい事をしっかり踏まえ、分からない事は置き去りにすることなく、それを作り手に投げかけ、納得の中で次のステップに移らなければ、置き去りにした問題が、原因となり、せっかく組み上げた物を崩し、もう一度組み直さなければならない事になってしまう。
人と出逢い、人を知り信頼を確立することも、いい家に出逢う事も、全て形は違っても、基本となる物は、作る中には人間が絡み、その人達の考えの中で物は造り上げられる。
出来上がったものの良し悪しの裏には、人の心が存在し、優しさの中で作られた物は、優しい物に出来上がる。
その基本となるものは、信頼であり、未知数を残さずお互いを理解し合った中から生み出される”言葉”から生まれ、それが形が創造され、形に表現される。
人の関わりの中においても、物づくりの中の関わりにおいても、人との繋がりが基本となり、その中においての信頼が最も重要で、技術力、発想、感性、といった直接形に反映する技量は、信頼の次に必要なものであり、
信頼は疑問や疑念の上には成立しない。
私は、よく訪れたお客様と、家づくりの話しは後回しにし”心を開く”について話しをすることがある。
物づくりを託す上で、最も大事なことは持ってる想いを全開にし、向かって来て欲しいと思っているからで、その人が、警戒心や不信感を持っていれば、前に踏み出す事は出来ず、結局探り合いになってしまい、何も生まれて来ない事になってしまう為、
無駄な時間を浪費する事を避け、傍観者的なクライアントの気持ちを、自分の夢を叶える為、心を開く事について話し合う。
人を知るのに時間がかかると考えられているが、ある特定の事に向かい
進む上においての、信頼関係の確立には、時間は問題ではなく、一瞬で心を開けば、踏み出し、事を始め進む過程の中で見えて来る。
薪スト-ブ
おじいちゃんの夢だったスト-ブ。
この前で暖を取りながら囲碁を打ち
お孫さんと語らい。
ここまで生き抜いた過去を振り返る。そんな場所を創ってあげたかった。
ベンチに腰掛け暖を取り、暖かいコ-ヒ-を飲んでいるおじいちゃんを想像しペンを走らせる。
薪スト-ブの中でも 一番コンパクトなサイズ。
しかし、燃焼率は高く放熱する煙突は、2階のお孫さんの部屋を貫き、その部屋を暖める。
おじいちゃんの温もりが、お孫さんに伝わっていく。
創る事を安易に考え、結果的に後悔で終わってしまう事があるように、創作の中の大切さが、形に表れ創造の中でその良し悪しを見分ける。
設計図はその創造された形になるが、一般の方が二次元から三次元を想像するには無理がある。
ここは、ピアノ教室 防音壁に囲まれた中に、グランドピアノ楽譜収納棚、生徒用ベンチがある。
右の防音建具を引き分けると大広間に。
床は桜無垢板、壁は香り杉、甘い香りが漂う。
関連写真集http://www.digibook.net/d/bf05c1bb91589c592af07f63f92030cf/
出逢いがあり、意思が伝わり形が描かれる。
この形は、住む人の中にあったもので、言葉の断片を繋ぎ合わせ、生まれてきた物。
これが、現場に伝わり形を成していく。
職人の技術が加わり、色が乗せられ、手を抜くことなくつくりあげられていく。
要望が紙に書き出され、現場で形になったとき、感動を覚えそれが実感として受け止める事が物づくりであり、物づくりは感動をも生み出す。
耐震計算の結果、0.28と地震には耐えられない結果が出た。
屋根瓦も葺き替えの予定だったが、予算の都合で残念したが、葺き替えの理由には耐震強度をあげる目的もあった。
耐震壁を確保し、屋根を葺き替える事で、強度指数は1.2以上の判定となったが、葺き替え費用300万円は負担が大きすぎる。
耐震壁補強で1.0の耐震指数で納得し、葺き替え費用は節約する事となった。
外周柱基礎は、御影石を加工し連続に敷き並べ、外部の雨水が床に進入しないようにしている。
室内の柱は、四角錐に加工された御影石。
1階の階高さは高く、基礎の強度を補うため、天井裏のバットレス(頬杖)で補強している。
この補強が有ったため、85年間の間この家は変形を起こすことなく耐えてきたのだろう。
築85年の家を、この家に嫁ぎ守ってきたおばあちゃんの家
新しい世代にバトンタッチをし、残したいと願うおばあちゃん。
解体し、立て替える方が、手間はかからないかも知れないが、
手間をかけても、残してあげたいと思うのは、私も同じ。
85年前の2階建ての建物は珍しく、その当時は多分、御殿と噂されたに違いない。
地栂(じ とが)を使い、長尺の小屋丸太を使い、強度を出す為の工夫が建物に見られる。
基礎には、御影石の割石を使い、その上に柱を建てている。
手間と費用をかけてでも、二階建ての夢を叶えたかったのだろう。
手作りの面白さは、自分技量と相談しながら進めなければ、
理想を形に作ることにこだわりすぎると、完成され無い場合がよくある。
それは、自分の技量を超えて求めてしまう為、完成されない。
テ-ブルと照明棚とベッドと、ベンチを作った。
ベッドはノックダウン方式で、かやの木を製材し、半丸の杉を使いベッドに。
テ-ブルはパイン
照明は、自然木の枝の部分を製材、料理店から貝殻をもらい受け作った。
貝殻の赤い光と、両サイドにあけた穴から広がる光の線が部屋の雰囲気を変え一つしかない照明、一つしかないベッド、流通商品の中で飽きてくれば、自分でオリジナルを作るのもいいものだ。
K邸をきっかけに、連続4棟の住まいを設計し、その繋がりは今でも続いている。
K様の友達の広がりに限らす、N様のログハウスからも
繋がっており、紹介物件が多い。
N邸角ログハウス
このログハウスも、10年前完成した物件
二年の期間を要し、完成させ建築基準法的には平屋になるが、中はスキップフロア-となっており、6段階の高さの変化があり、訪れたお客さんは、何階に居るのか分からなくなると言う。
N様ご家族は、お子様もご両親も、遊び心旺盛で、このログハウスが、ご家族の遊びを支えている。
デッキの前にピザ釜を作り、パンを焼き、パ-ティ-を開く。
その時はお呼びがかかり、私もそんな遊びは大好きで、一品料理を作り、圧力釜からシュ-シュ-と湯気が噴き出す圧力鍋を持ち、料理をしながら車を走らせる。
Y邸 デジブックアップしました。
http://www.digibook.net/d/4bc4ef5791da9ad125397773a32330cd/?viewerMode=fullWindow
S&B邸
K邸
デジブック
http://www.digibook.net/d/1a55c1bf91599a952158fde1fb3b309b/
M邸
デジブック
http://www.digibook.net/d/eac5c33b801ab2d53cd47fe7e731f1df/
O邸
この4物件の共通点はお友達、その広がりはK邸から始まり、今から10年も前にさかのぼる。
ログ事務所が完成してまもなく、K様が当事務所を訪れたのが始まり。
友達の輪が住まい作りの減点へ。
ク-ラ-配管
断熱吹きつけ工事も終わり、天井杉板も貼りあげ、こえから壁の下地工事、この部屋のク-ラ-は隠ぺい配管となり、前もって管を通す。
キッチンの天井、テ-ブルの真上に切り込んだ天窓、
斜めに切られた天井から、キッチンにも光が落ちる。
モカも現場に同行、玄関先で打ち合わせが終わるのを待つ。
「終わればフリスビ-が出来るのだ!」・・・。
D邸
雨が多く現場の工程も予定通り進めるのに現場監督の苦労も有っただろうが、屋根も葺き、外壁工事も進み、雨が防げる状態になり、やっと断熱工事が出来るようになった。
天井、壁の発砲断熱の吹きつけで、空気に触れれば100倍の厚さに発砲する。
屋根と発砲剤の間に通気口を確保し、暑い空気はその通気を通って棟の換気口から排出される。
天井は100㎜、壁は85㎜の厚さにふき、外部や内部の熱が通りにくくする。
冬は無暖房でも15℃以上と安定した室内温度が確保出来る事だろう。