日本人としてのアレ。

通りすがりで会ったなら、その出会いを大切にしたい

『ぼくのあたらしいカノジョ』

2010-03-14 | 曼荼羅タイト
僕の新しい彼女は、いつもミニスカート。
ヒラヒラのスカートで、僕の隣を歩いていても、他のオトコに見られてる。

アキレス腱は引き締まっていて
ちょっとだけX脚で、いつも他のオトコを誘うような脚の組み方をするんだ。

ファミリーレストランで、前に座っていても、他のオトコの視線が僕を落ち着かせてくれない。

いつもリンゴジュースを頼むんだけど、彼女は飲まない。
ストローで、氷を溶かして愉しむだけなんだ。
クルクル回しながらオトコの視線を浴びて、僕の事を見ている気がする。

僕が、シットしているか見ているんだ。
僕は、それを知っているから平然としているけど、彼女のその脚が僕だけのものか、聞きたくなる。

でも、聞かない。

女の子みたいだね、って言われるのが好きじゃないからだ。

年が二つ上だから、彼女の部屋でお香の匂いを嗅いでいる時は、凄く甘える。

鎖骨の窪みに、焼酎を注いで飲みたい って言ったら、その通りにしてくれた。

冷たい!と片目だけ瞑って、笑いかけている様に思える。

早く飲まないとこぼれちゃうよ、と言ってジっとしてた。

でも僕は、いつも不思議なんだ。
彼女は、ドコから声を出しているんだろう。

だって、彼女には首から上がナイんだもん。

『無題』

2010-02-27 | 曼荼羅タイト
ROSSO - シャロン


朝起きて、携帯電話の電源を入れた。
また、今日が始まる。

今日もまた絶望を感じるかもしれない。
感じないかもしれないけれど、明日感じるかもしれない。

冷蔵庫を開けて、桃のジュースを飲んだ。
桃の味が分かるのが幸せだなんて、この前は思えなかった。

寝ぐせだらけの髪の毛にシャワーを浴びせる。

目を瞑ると自分が限りのない「無」の中にいる様に感じた。
感じただけならいいけど、目を瞑っている時は、本当に上下が反転しているかも知れない。

神をも欺く為に、水が入るのも厭わず目を開けたけど、前には白いタイルがビッシリ詰まっていた。

なんだ、まだ生きているのか。
このまま、冥界に連れていかれてもいいんだけど

でも死んだら、桃のジュースを飲めないのかも知れないと思うと、生きているのも悪くないなと思う。

『神様になりたい』

2009-02-22 | 曼荼羅タイト
神様になりたい。

神様になって時間を止めたいわけじゃない

神様になって人間以上の生物を創造したいわけじゃない

ましてや、世界中の女と遊びたいわけじゃないし

世界中のグルメを堪能したいわけでもない

ただ世界中の、まだ会ったこともない世界中の人を平等に愛したいだけ

俺が家族を愛しているのと同じ位、まだ会ったこともない人の事を愛したい

戦争だって無くならなくたっていい

ただ愛することが出来たなら、俺は幸せの絶頂に達する。

『デリヘルドライバーの怪談』

2008-08-23 | 曼荼羅タイト
昨日 稲川淳二先生の顔を見て思い出した、あれは6年位前の夏の日

俺、自らが体験した話ではないのだが、残暑残る今日この頃
読者様に少しでも涼んでもらえたらと思ってキーを叩く

俺はその頃 デリヘルのドライバーのバイトをしていた
女の子を 男性のお客さんの自宅やホテルに届けて、その周辺で待機したり 忙しくなればグルグルと他の女の子のお迎えに走ったりするのだ

その日は特に忙しい訳ではなかったので
俺は事務所から一時間半近くかかるS地区と言う場所まで女の子を届ける為に走った

ちょうど今くらいの蒸し暑い日だった

場所が近くなるに連れて 店長から俺に電話が入り、S地区のホテルがどこも満室だと伝えられた
しかし、そのホテル街から 15分位走った所に一軒だけコテージタイプのそれがあった。

地元の人でも知らない様な 街道に看板も出ていないホテル

そのお客さんは その場所を知っていると言うので先に移動してもらった。

当時 俺はカーステから電話の声が聞けて マイクで相手と話せる様にしていた
必然的に乗せてる女の子にも会話は聞こえる。

店長もそれを知っていたので
「お~い、まりなちゃん聞こえる?」

どうやら 俺が乗せてる女の子にも話があるみたいだ

「まりなちゃんもこの話し一応聞いておいて」と店長が言う。

これは店長の昔の同僚が実際に体験した話しを 俺が聞いたものなのだ

同僚の名前は仮に、石井さんとしよう
石井さんは その日
今から俺が向かうホテルに向かっていた

その時のお客さんは 女の子の指名客で 常に3時間で遊ぶ人で その場所は遠かったので確実に3時間待機になると言うボーナスステージみたいな感じがあった

蒸し暑く小雨の振る23時ころ、無事に女の子を案内して
ホテルの前の通りで、ちょっと仮眠でもしよう… とシートを倒してから20分位経った時に 申し訳なさそうに車のガラスを叩く音がした

今、正に眠りにつく瞬間だった様な時なので ムカっとしたがガラスの外を見るなり その表情は一変した

外に立っている女は とても時代遅れな格好をしていた
ジュリアナ東京全盛期のボディコンギャルの様な 一昔前の女。

しかし石井さんは その体つきに興味を示したのだ
石井さんは どちらかと言えば 顔より体つきを重要視している所があったらしい

直ぐに優しい声で 時代遅れな女に
「どうしたの?」
と当たり前に聞いた

女は言った
「今、仕事中なんですけど、事務所に忘れものしちゃって取りに行きたいんですよね」

女は どうやらデリヘル嬢みたいだ
石井さんの事もドライバーだと分かったらしく 無駄な説明はしなかった。

自分の店のドライバーになんで頼まないのか?まず何故ドライバーがいないのか?
と、考えはしたが 聞けば事務所には 45分位で行ける距離
往復しても まだ一時間ある
すると 石井さんは下心が芽生え
不信感もあるものの 自分から不信感を押さえ込み女を乗せた

「あんなホテルの前で一人でいたの?怖くない?」
「はい、ちょっと怖かったです」

女は 後部座席の左に座っていた

「あのホテル、一昔前に女の子が殺されてるんだよね~」
なんてよくある噂話しで怖がらせながら、簡単に共通の話題を探し仕事の話で盛り上がっていた

聞けば 石井さんの下の名前と その女の昔の彼氏の名前が同じらしい
一気に親近感が沸いたのか 女は笑う時に
「ヤダ~♪」なんて言いながら 石井さんの左肩をポンと叩いた

ゾクッ!!

石井さんは その時に女の手が非常に冷たく感じたが 手の冷たい女なんか沢山いる

それより その短いスカートから伸びる長い脚が 手と同じく冷たいのか?
それの方が気がかりだった。

まだまだ事務所には着かない、とりあえず電話番号もしくはメールアドレスだけでも交換しておきたかった、この雰囲気で断られるはずがないと 一気に切り出し 難なく聞いた。

もしかしたら このまま一発ヤれんじゃねぇか?
と石井さんは思った

時刻は0時を過ぎた所 ちょっと街道から外れれば目的に適した所は見つかるはずだ

石井さんは「ねぇ~」と今まで以上に優しく声をかけ
後部座席の太ももを 前を見ながら触ろうとした、すると

スカッ…

と 手のひらが空を切る
あれ?っと思って

もう一度「ねぇ~」
今度は 太ももをみながらだ

また スカッ…

え!?

視線を太ももから 女の目に移す

すると 女は手で顔を覆いながら
「うわ~ん!!!」
と赤ん坊の様に泣き出した

石井さんは 自分が太ももに触れられなかった事を忘れ イキナリ太ももを触ろうとした自分を恥じた。

「ごめん!そんなつもりじゃないんだ!ごめんね!」と

「違うんです!」
手で顔を覆い泣きながら女は言った

「違うんです!」
「さっきのホテルで私、殺されちゃったんです!!」
と女が叫んだ瞬間

ゴトッ!!
と女の首から上が 膝の上に転がり落ちた!

「ウワー!!!」
石井さんは この世のものではないものを見て無意識にハンドルを切ってしまった ガードレールに車を叩きつけ停止した

何時間経ったかは わからない。
非常に暑くて起きた

目の前には警察がいて 自分の車の外にいた
警察も今 来たらしい

明るくなってから 地元の人間が通報したのだろう

今が何時かもわからない

自分の携帯で確認しようとすると 事務所から何回も不在着信がある
それは当たり前の事だった

そしてメールが一件。
知らないメールアドレスからだった

「昨日はありがとうございました。」

ただそれだけだったが察した、女からもらったメールアドレスのメモ紙を見ると 見事に一致した

その場に携帯を落とし また気を失ったらしい…


「イヤ~、店長!無茶苦茶怖いじゃないっすか!」
と俺。

これから 女の子が行くホテルの怪談をするなんて この店長はバカなのか?と思って まりなちゃんが心配になり、後ろ向く俺

すると まりなちゃんはこう言った

「ね~、和鳥さん… その女の人ってね、私のお母さんなんだ」

『ぼくのまち。』

2008-08-20 | 曼荼羅タイト
僕の町は、とっても面白い。

僕が、ハンバーガーを食べている時に、おまわりさんが拳銃で自分の頭を打ち抜いていく。

また違う日に、赤信号で止まっている時には、大相撲力士が大麻吸引で捕まっていく。

僕の町は、とっても面白い。

僕が、友達にメールを送信してる時に、女子大生が男の人に買われていく。

また違う日に、つけ麺か普通のラーメンか迷っている時には、自分の子供に殺されていく親がいる。

僕の町は、とっても面白い。

僕がセックスしている時に、119番が鳴り響いていく。

僕の町は、ホントにとっても面白い。

僕が、子供に会えなくて悩みに悩んで落ち込んでいる時に、今度は君がセックスしている。

ぼくのまちは、面白い。

散歩している柴犬の、お尻の穴なら丸見えだからだ。