昨日の、宮城県大衡(おおひら)村大衡の八志沼での水難は、結局3人ともお亡くなりになりました。ご冥福をお祈り申し上げます。
これまで発生した多人数水難について、ここに記します。
2016年6月4日午後3時ごろ、砺波市井栗谷の貯水池に付近で遊んでいた砺波市に住む小学1年生の男の子(7)が誤って落ちた。
一緒にいた兄から助けを求められた近くに住む女性(73)が池に入ったが溺れた。さらに女性を助けようと池に入った夫(77)も溺れた。消防の救助隊が約1時間後に池に沈んでいる2人を見つけたが、2人とも死亡した。最初に溺れた男の子は別の人に助けられた。
2014年6月9日、岐阜県各務原市の木曽川で、遊びに来ていた愛知県一宮市立黒田小4年生男2人と中学生男子1人が行方不明になる水難事故があった。その後の捜索で発見されて、死亡が確認された。
2014年5月4日午後1時半ころ、上越市柿崎区上下浜の海岸で波打ち際で遊んでいた子供3人が波にさらわれ、助けに向かった大人2人も溺れる水難事故があった。5人は捜索の結果発見され、死亡が確認された。
2012年7月30日午後1時半頃、愛知県一宮市北方町北方の木曽川で、「中学生4人がおぼれた」と119番があった。愛知県警や地元消防により1人は救助されたが、残る3人は40分~1時間15分後、川底で見つかった。3人はいずれも心肺停止状態で、間もなく死亡が確認された。
服を着たまま岸から約30メートル離れた中州に渡り、6人がさらに本流に出たところ、1人が深みにはまり、助けようとして次々と溺れたという。中州にたどり着いた1人が携帯電話で通報した。 遺体が見つかったのは、中州から本流に出て数メートルの川底。中州近くはひざ下ほどの水深だが、川の中央部に移動するとすぐに大人の背丈ほどの深さになる。
2011年7月3日午後2時20分ごろ、兵庫県警明石署に明石市二見町に住む男児(6)から「池で遊んでいたお兄ちゃんたちの姿が見えない」と届け出があった。消防などが同町のため池「野々池」を捜索したところ、小学2~3年生の男児3人が池の中で発見され、病院に運ばれたが、いずれも死亡が確認された。
死亡したのは、近くに住む小学3年生の赤間翔太君(9)と小2の中辻佑太君(7)、前田和亮君(7)。死因はいずれも溺死。遊んでいたのは池の南東部とみられ、発見時、3人とも上半身に服は着ておらず、半ズボンに素足の格好。池の付近で児童のものとみられる履物3足、Tシャツ2枚などが見つかった。
明石市消防本部によると、3人が発見された場所は岸から約50メートル離れ、深さが約50センチから約120センチに急激に変わる。県警は、3人が遊ぶうちに深みにはまった可能性があるとみている。
以上、多人数水難の特徴は、足の届くところから急に深くなる場所で、一人目(あるいは数人同時)が溺れて、それを救助しようと(しかもとっさに)入水し、同じ経過をたどって溺れるというものです。これを後追い沈水といいます。後を追わないように、素人による素手の入水救助は絶対に無理なので、一刻も早く119番通報して救助隊を現場に呼ばなければなりません。
とはいっても、子どもが溺れれば入水してしまうのが親だし、弟が溺れれば入水するのがお兄ちゃんというものです。これは建前ではとめますが、本音では気持ちはわかる。
日頃の選択肢は二つあります。
1)日本赤十字社の水上安全法救助員の講習会に参加し、最終試験に合格し救助員となり、日頃から水難救助の技術を鍛えておく。
2)親子、兄弟そろって、ういてまて教室を受講し、日頃から水面に浮かぶ訓練をしておく。浮いている子どもが心配なら119番通報後に一緒に浮いて救助を待つ。
わが国の水難救助隊にも考え方の転換が求められています。中学生以下の子どもの8割が水難事故から生還できるようになっており、水面に呼吸を確保して浮いている人を迅速に救助する水面救助法の訓練が足りていません。例えば、救助服着装、救命胴衣を着用したままの救助法など、が標準化されていません。
来週から、全国の小学校でういてまて教室がピークを迎えるシーズンです。ご自分のお子さんが小学校でういてまて教室を受けるようであれば、ぜひ見学に行ってください。
これまで発生した多人数水難について、ここに記します。
2016年6月4日午後3時ごろ、砺波市井栗谷の貯水池に付近で遊んでいた砺波市に住む小学1年生の男の子(7)が誤って落ちた。
一緒にいた兄から助けを求められた近くに住む女性(73)が池に入ったが溺れた。さらに女性を助けようと池に入った夫(77)も溺れた。消防の救助隊が約1時間後に池に沈んでいる2人を見つけたが、2人とも死亡した。最初に溺れた男の子は別の人に助けられた。
2014年6月9日、岐阜県各務原市の木曽川で、遊びに来ていた愛知県一宮市立黒田小4年生男2人と中学生男子1人が行方不明になる水難事故があった。その後の捜索で発見されて、死亡が確認された。
2014年5月4日午後1時半ころ、上越市柿崎区上下浜の海岸で波打ち際で遊んでいた子供3人が波にさらわれ、助けに向かった大人2人も溺れる水難事故があった。5人は捜索の結果発見され、死亡が確認された。
2012年7月30日午後1時半頃、愛知県一宮市北方町北方の木曽川で、「中学生4人がおぼれた」と119番があった。愛知県警や地元消防により1人は救助されたが、残る3人は40分~1時間15分後、川底で見つかった。3人はいずれも心肺停止状態で、間もなく死亡が確認された。
服を着たまま岸から約30メートル離れた中州に渡り、6人がさらに本流に出たところ、1人が深みにはまり、助けようとして次々と溺れたという。中州にたどり着いた1人が携帯電話で通報した。 遺体が見つかったのは、中州から本流に出て数メートルの川底。中州近くはひざ下ほどの水深だが、川の中央部に移動するとすぐに大人の背丈ほどの深さになる。
2011年7月3日午後2時20分ごろ、兵庫県警明石署に明石市二見町に住む男児(6)から「池で遊んでいたお兄ちゃんたちの姿が見えない」と届け出があった。消防などが同町のため池「野々池」を捜索したところ、小学2~3年生の男児3人が池の中で発見され、病院に運ばれたが、いずれも死亡が確認された。
死亡したのは、近くに住む小学3年生の赤間翔太君(9)と小2の中辻佑太君(7)、前田和亮君(7)。死因はいずれも溺死。遊んでいたのは池の南東部とみられ、発見時、3人とも上半身に服は着ておらず、半ズボンに素足の格好。池の付近で児童のものとみられる履物3足、Tシャツ2枚などが見つかった。
明石市消防本部によると、3人が発見された場所は岸から約50メートル離れ、深さが約50センチから約120センチに急激に変わる。県警は、3人が遊ぶうちに深みにはまった可能性があるとみている。
以上、多人数水難の特徴は、足の届くところから急に深くなる場所で、一人目(あるいは数人同時)が溺れて、それを救助しようと(しかもとっさに)入水し、同じ経過をたどって溺れるというものです。これを後追い沈水といいます。後を追わないように、素人による素手の入水救助は絶対に無理なので、一刻も早く119番通報して救助隊を現場に呼ばなければなりません。
とはいっても、子どもが溺れれば入水してしまうのが親だし、弟が溺れれば入水するのがお兄ちゃんというものです。これは建前ではとめますが、本音では気持ちはわかる。
日頃の選択肢は二つあります。
1)日本赤十字社の水上安全法救助員の講習会に参加し、最終試験に合格し救助員となり、日頃から水難救助の技術を鍛えておく。
2)親子、兄弟そろって、ういてまて教室を受講し、日頃から水面に浮かぶ訓練をしておく。浮いている子どもが心配なら119番通報後に一緒に浮いて救助を待つ。
わが国の水難救助隊にも考え方の転換が求められています。中学生以下の子どもの8割が水難事故から生還できるようになっており、水面に呼吸を確保して浮いている人を迅速に救助する水面救助法の訓練が足りていません。例えば、救助服着装、救命胴衣を着用したままの救助法など、が標準化されていません。
来週から、全国の小学校でういてまて教室がピークを迎えるシーズンです。ご自分のお子さんが小学校でういてまて教室を受けるようであれば、ぜひ見学に行ってください。