斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

新潟県のスマートグリッド

2011年07月23日 08時41分55秒 | 長岡技術科学大学の広報
本日朝刊の新潟日報29面に新潟県のスマートグリッドに関する解説画掲載されました。
次世代送電網 実現へ着々 技科大拠点県版構築へ 県産エネ活用目指す

スマートグリッドとは情報通信網を活用して電力供給を制御するものです。要するに、今必要な電力をただちに供給するためのシステムです。

現在の発電システムは、おおよその需要を推測しながら発電していますので、発電した電気をすべて使っているわけではありません。極端な話が、発電機を回していても誰も電気を使っていなかったら、発電機は空回りしているような状態にあります。だから今の需要を常に測定しながらそれに合わせて発電機を回すことができたら、エネルギー効率はさらに高くなるのです。また、夜間にエネルギーをためておけるシステム(揚水発電)、風の強い日に安く発電できるシステム(風力発電)、太陽がさんさんと輝くときに安く発電できるシステム(太陽光発電)、それぞれ強みを出すことのできる時間がありますが、それをネットワークで確認しながら最適なものを選択できるようにするのも、スマートグリッドの役割です。

現在の新潟県の取り組みとして、長岡技術科学大学を拠点として、県、新潟県電子機械工業会とともに、県次世代地域エネルギー開発拠点事業が動いています。本学では、パワーエレクトロニクスではこの人ありという大石潔教授が中心となって取り組んでいます。

田中角栄氏の日本列島改造論によれば、昭和40年代の我が国の設計図として、3つの高速網が挙げられました。
1.高速鉄道網
2.高速道路網
3.高速情報通信網
まさに、この設計図に基づいて我が国の国土が形成されてきました。
スマートグリッドは、必要な場所に供給力のあるところから瞬時にエネルギーを届けるという意味で、昭和40年代でも想定し得なかった第4の高速網になるのではないでしょうか。


限られたエネルギーをより有効に活用していこうという、本学、新潟県の取り組みに期待してください。
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