斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

スリランカ訪問4

2012年12月04日 01時10分08秒 | 水難・ういてまて
11月25日の日曜日にコロンボ市内のスポーツクラブで水難に関する講演会、浮力体の素材に関する調査研究ならびに着衣泳指導員養成講習会を実施しました。
まず、スリランカ水難救助団体のリーダーから挨拶があり、続いて日本側から安倍淳氏が東日本大震災に伴う津波とそこからの生還について講演を行いました。英語による講演で、途中聴衆が感極まって涙するシーンがあり、同じ津波被害を受けた国同士で、思いは同じことがよくわかりました。

参加者は60名で、写真の通りです。水難救助のボランティア、警察官、消防官のプロまでそろっていました。中にはスリランカ東海岸で実際に津波にあった人もいました。安倍氏の講演を聞いて自らの体験も話していました。
 

実験ならびに実技講習に使用したプールです。屋外ですがたいへんきれいな水でした。気温31℃、水温29℃でとても快適でした。塩素剤による消毒が行き届いていて、しかも常時循環されています。正直な話、ここまできれいなプールがあるとは驚きました。


実験前の集合写真です。日本から持っていったおそろいのスイミングキャップをみんなでかぶりました。


6月に日本で指導員資格を取得した人が指導スタッフとして活躍しました。


バディーをとっている様子です。整列にとてもなじんでいるようで、実技や実験もてきぱきと進みました。さらに入水です。見事にシンクロしています。
 

スリランカの男性は、おなかがぽっこり出ている人が多いのですが、意外と筋肉質で、日本人よりは浮きづらく思いました。ちなみに水の比重は測定の結果、ジャスト1でした。


屋外でよく履くのはサンダルです。日本人なら十分に足が浮くサンダルですが、スリランカ人には浮力が足りませんでした。たぶん、よく歩くので大腿、下腿の筋肉が発達しているのではないかと推察されます。
 

ペットボトルはスリランカでも大きいものがあります。スリランカのペットボトルを2本持てば安定した背浮きで救助を待つことができます。もちろん一本でも大丈夫でした。


最後にプール内で全員で記念撮影をしました。


一人ずつ、指導員認定証を手渡しました。今後、スリランカ中の学校等にて子どもたちに浮いて救助を待つ技術として、uitemateを普及していきたいとのことでした。出席者に警察官や消防官が多かったこと、子どもの教育を大切にする国であることを考えると、急速にこういった講習会が広がるのではないかと思います。


3日しか滞在しませんでしたが、スリランカの気候を一言であらわすと、8月7日という感じでした。

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