これがビクトリー号の船首部の甲板です。
手前の大砲がカロネード砲。
大口径で破壊力があったにもかかわらず、従来の砲の半分の重量しかなく
(と言うことは最上部甲板にも乗せることができるので優位な位置から撃てる)、
さらに台車が後退しないので扱い易く、イギリスを勝利に導いた要因の一つでもあります。
どのような工夫で後退しないのか不思議でしたが、
見て分かりました。
木の台の上を大砲を乗せた台車が下がってくることで反動を吸収していたようです。
通常のカノン砲(奥の大砲)の砲耳が両側についているのに対して
カロネード砲は下についているのは、この反動吸収台を取り付けるためだったようです。
大砲の下はデッキですが(うちの会社は、このようなデッキを住宅からテーマパークまで設計施工していますのでので、仕事柄すぐに目が行きます)。
木は膨張収縮を繰り返し板と板の間はどうしても隙間ができます。
そこから水漏れするのを防ぐために、昔は、まいはだ(タールと糸くずや羊毛くずを混ぜ合わせたつめもの)を
板と板の間につめていました。
ビクトリーの甲板を見ると、まいはだではなく、
代わりにアスファルトを床板と床板の間につめて床板を貼っています。
この方法は客船の甲板でもよく見ますし、シャルルドゴール空港内の室内デッキでも見ましたが、
割と良い雰囲気に仕上がります。
一度仕事でも採用したい方法です