以前から、ら木材に関係する者として一度は見ておきたいと思っていた戦艦ビクトリーを見に行ってきました。
現存する木造帆船では世界最大ですが(構造が金属で外板が木のものはこれよりも大きいものがあります)、
これを人力だけで製作して、尚且つ人力だけで動かすと言うアナログ世界の究極製造物です。
作られたのは今から250年程前ですが、今でも現役艦としてイギリス海軍に登録されています。
この船があるのはロンドンから電車で2時間弱のポーツマスです。
さすがにこんなところに日本人の観光客は来ませんが(中国人の観光客は来ていました)、
平日だったので観光しているのは、現役をリタイヤされた欧米人と小学生の社会見学です。
英国がナポレオンの侵略戦争に対抗してトラファルガーの戦いで勝利した時にネルソン提督が乗っていた艦です
(マストやヤードは工事中のため取り外していました)。
横にずらっと並んだ窓は大砲を突き出すための窓です。
つまりこの当時の海戦は船を横向きにして撃ち合ったのです。
船が一列に並んで敵の船と撃ち合ったので戦艦(バトルシップ)ではなく、
戦列艦(シップオブザライン)と言うのが正式の名前です。
このような大砲をドッジボールを投げたら届くような距離で撃ち合うのですから、凄い迫力だったとは思います。
なお、戦病死者の多くは大砲での怪我ではなく、大砲の弾が木材に当たって、
その木材の破片が飛び散ったことが原因だったようです。
大きさ形は想像していたとおりですが、唯一思っていたよりもずっと大きかったのが
「いかり」です。
写真の舷側に二つぶらさがっていますが、現在使われているものと比較するととんでもなくでかいことが分かります。