ここは最下層の船底から2番目のデッキです。
このオーロップデッキには適当な日本語がありません。
辞書を引くと最下層甲板と記載していますが、そう書くとロワーデッキと勘違いされるか、その下の船底と勘違いされる可能性があります。
まあ、船底と最下層のガンデッキの中間に仮設的に作ったデッキです。
船が運航中は海水面の下にありますので、窓はなく、
フラッシュなしの写真の限界の暗さです。
ビクトリーには3層の大砲専用のデッキがあり、
下からロワーデッキ・ミドルデッキ・アッパーデッキとなりますが、
このオーロップデッキはロワーよりもさらにロワーな位置にあります。
見学者が見ているのは、戦闘中に医務室になったところの手術道具と説明です。
治療と言っても、体の中のどこに木の破片があるかをまさぐることと
(敵の弾があたるよりも砕けた木片が体に突き刺さっての事故の方が多い)、
手足を切断することしかできませんから、展示しているのは、医療用具と言うより、
大工道具に近い用具です。
それに麻酔薬は一口のラム酒だけ。止血は溶けたタールの中に傷口を突っ込むかは、
焼きゴテを血管に当てると言う,
治療しているのか殺そうとしているのか分からないような処置ですから、
患者の苦痛は大変なものだったと思います。
医者ができる唯一のことは、患者の苦痛をできるだけ短くするために
短時間で切断することぐらい。
と言うことでいったん戦闘になると、医務室は切断された手足がごろごろ
・・写真の横に見えているのは切断した手足をほりこんだ桶です。
こう言うのまできっちり展示していました。
戦闘中に倒れたネルソン提督が運びこまれたのもこのオーロップデッキですが、
最後に息を引き取った場所をその時の絵とともに展示していました。