木の粉とプラスチック樹脂を半々に混合して型から押し出して作った人工木材(合成木材)のデッキ材を使われるケースが増えています。
木材デッキでは必ず発生するひび割れと色あせが少ないので、
設計事務所としても採用しやすいポイントです。
ところが、人工木材の長所は設計事務所もよく理解していますが、
その欠点の方は、あまり知られていないので、
当初の期待に反して大きなクレームになることがよくあります。
先週、得意先の施設業者様から、「ライバル会社が施工した人工木材のデッキの経年変化を調べてくれ。」
と言う依頼があり、となりの県の公園に設置されたデッキ(池の上に張り出しています)を調査してきました。
遠くから見ると人工木材は、色あせは少ないのですが、近づいて見ると驚きました。
・汚い:人工木材の場合は、多孔質の隙間の中に汚れが入ってしまって薄汚れてしまっています。
ハードウッド場合は色あせしても風格がありますが、
人工木材の場合は、デッキの上でくつろごうと言う気にはなりません。
・取り換え補修ができない:人工木材は中が空洞なので、笠の先でつつかれたりすると穴があきます
(公園等ではけっこういたずらをされます)。
その場合に簡単に取り換えができれば問題はないのですが、
人工木材は伸び縮みを逃がすために横から固定していることが多く、
中の床板を取り換えるためにはすべての床板を外す必要があり、
実際には取り換えができないので、役所としては安全優先のためにこのような補修をしたと思います。
・熱で垂れる:夏になると人工木材の温度はかなり上がりますので、強度がなくなり、
長年の間に根太と根太の間が垂れてしまいます。
近くで見るとちょっとみすぼらしいなぁ。と言うところです。
人工木材はうちの会社も官公庁の物件でよく施工しますが、
メーカーによって品質の差が大きく、後でクレームになるので、
特定のメーカーの製品以外はお断りするようにしています。
この物件に使われた人工木材もその類だったのかもしれません。
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