木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

73. カナダ人と住宅論争その⑭:住宅コスト編その4最終編

2014-08-24 18:23:37 | ウッドデッキ
💛それだけではないよ、
日本の現場見たら石膏ボードを何種類も使っているじゃないか。
しかもゴミとして端切れが一杯出ているじゃないか。

■カナダは出ないのか。

💛現場で使う石膏ボードは1種類だけ、サイズも1サイズのみだ。
だからロスも出ないからゴミもない。
確かにカナダの現場も場所によって石膏ボードを使い分ければ材料コストも下がるけれど、
最も良いものに統一して使う方が全体の効率が良いじゃないか。
それに多少割れていたりかけていても、全部使うからロスがない。

■それでは品質が保てない。

💛違うなぁ。現場の石膏ボードを貼っている時は確かにつぎはぎだったり、
端が欠けていたりするが、テーピング作業やパテ作業が綺麗に上がるから、
仕上がりは日本よりはるかに綺麗と思うよ。
日本の室内の仕上げだったら、とてもペンキで仕上げるようなフラットな仕上がりではないだろう。
あれではクロスを貼ってごまかすしかないな。

■確かに、そのとおりだ。

💛分かったかい。石膏ボードはカナダの方が日本よりも材質も良くて、
仕上がりも綺麗で、しかも貼るスピードは日本の3倍以上じゃないかな。
石膏ボードを日本のよりも良いものを使うから材料費が高くなるが、
作業効率が3倍あれば、圧倒的にコストは安いんだよ。

■理解したよ。・・・では日本の住宅をカナダ並みのコストにするにはどうすれば良いと思うかね。

💛単純だよ。100年の耐久の家を今の半分のコストで作ろうとさえ思えば簡単にできる。
但し一人がそうやっても無理で、業界全体がそう思わないといけないがね。

■なぜそれが今までできないんだろう。

💛最も大きい理由は外国との競争がなかったからだろうね。
だから仕様の統一もしなかったんじゃないかな。
それにそんな合理化したら、大手のハウスメーカーは生き残れないから、協力はしないだろうね。

■と言うことは日本の住宅は絶望的と言うことじゃないか。

💛そんなことはない。
遅れていると言うことは、新しい考えで参入できる余地が充分あると言うことだ。
何度も言うが住宅は「モノづくり」じゃないんだ。システムなんだ。
大きなメーカーが量産で作る商品ではなく、地場産業なんだよ。
住宅以外の商品の場合、大手5社の生産量を合計するとだいたいシェアの90%以上になるが。
日本の大手住宅メーカー5社の生産量を合計してもわずかなシェアにしかならない。
だからこれほど新規参入がしやすくて、改良のできる余地がある産業なんてないんだよ。

■言われてみれば確かにそうだな。

💛おまけに、それがちゃんと実践できている国が、目の前にあるじゃないか。
「できる」と言うことが分かった時点で、開発の50%は達成しているんだよ。だから簡単なはずだろう。

…論争は日本側の敗北で終わりました。
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