これは、ハワイで記念館として一般公開されている現存する世界最大の戦艦ミズーリです。
日本人にとっては太平洋戦争の降伏文書の署名された戦艦として有名です。
さてこの戦艦には木製のデッキが敷かれています。(元々デッキは船の甲板と言う意味ですので木製ですが)。
敷いてある木材はチーク材。
腐りにくくて、そこそこ硬くて強度があり、
船舶用材としてはベストの木材と言われています。
ミズーリのようにガチガチの戦闘艦に木製のデッキが敷かれている理由は、
水兵の心を和ませるため・・・
ではありません。
一応、ガイドの説明としては,
鉄のままだったら中で居住している水兵が暑くてたまらんから
と言う説明をされていましたが、
それではもっと居住性の悪い小さい駆逐艦は
木製のデッキが敷かれているのかと言うとそんなことはありません。
駆逐艦の場合は鉄のままです。
鉄のままだと熱くなるのは事実ですが、
戦艦ぐらいの大きさなると鉄が伸びてあちこちにひずみがくると言うのが真相のようです。
それでは戦艦大和はどうだったのかと言うと、
大和の甲板は台湾桧のデッキ材を敷いていました。
船舶用材として最も優れているチーク材を使わなかった理由は、
イギリス領だったビルマからの輸入がしにくいので
(当時イギリスはドイツと戦争中でした)、
融通のきく日本領の台湾の桧にしたのではないかと思います。
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