木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

227. 人工木材と天然木材の比較

2019-11-21 17:01:43 | ウッドデッキ
弊社は人工木材も天然木材も両方を扱っていて、
それぞれの長所・短所を考えながら適材適所で使っています。
また天然木材についても屋外では使えないものから
屋外設置しても30年以上の高耐久のものまであります。
これらについて、これまで講演したり、
ブログやホームページに掲載していたものをまとめてみました。



■人工木材はプラスチックと木粉を半分ずつ混ぜたものですので、
両方の長所も併せ持ちますが、両方の欠点も併せ持っています。
プラスチックの欠点である熱で変形すると言うことから次のような欠点が出てきます。



■使い方にもよりますが、木材と同じ使い方をするとこんな変形をします。



■これは人工木材を使うとよく出る欠点ですが、安っぽい材料で作った印象になってしまいます



■施工時期によって問題の発生が変わります。夏場に施工するとこんなことになります。


■これは公園のベンチの規格品です。その木材を人工木材に変更するとこんなことになります。


■人工木材は繊維がありませんので強度がありません。
そのために中を空洞にして厚みをアップして強度を上げる方法が取られます
(中まで詰まっていると原価は高くなりますしかなり重くなります)
しかし、中を空洞にしているため、衝撃に弱くなります。



■人工木材の中まで詰めて衝撃に強くしたのですが、
同じところに荷重がかかると、木材と異なり繊維がないので、
その部分がひび割れを起こした例です。
ちなみにアメリカやカナダでは人工木材はグレー色が一番人気です。
この色であれば変色しにくいですし、汚れも目立ちません



■人工木材は変色はしにくいのですが、汚くなると言う欠点があります。
同時に同じ場所で施工された現場ですが、
色あせているが良い雰囲気と色あせていなが汚いデッキとの差になります。



■人工木材は静電気で汚れを付着する性質があります。8年経過後の比較です。



■人工木材も天然木材も夏場は熱くなりますが、
人工木材の方が比重が高い分、熱くなり方は激しいところがあります。



■人工木材はエコですと言うアピールがされますが、実は全くエコではありません。



■人工木材は設置後1年はひび割れや色褪せがないのでクレームがありません。
そのため施工業者にとってはありがたい商品ですが、
5年以上経過するとお客様にとっては問題の多い商品になります。
ある意味、このところがお客様にとって最大の問題かもしれません。



■人工木材は多くの欠点がありますが、非常に良いところもあります。
その良いところを生かした使い方が次の例です。
(ただこのルーバーの場合、人工木材の空洞の中に金属を入れてボルトで固定するような特別な加工をしますので、
施工費用は木材よりもずっとコストは高くなります)


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