パソコン上達日記2

日々の雑感を戯れに綴ります

「貴族探偵」はどこが面白いのかというと。

2017-04-25 21:57:25 | ミステリドラマ批評

ドラマ版貴族探偵を見た。原作ファンの私は、まぁまぁ面白いな~と思った、毎週必ず見たい!と思わないけれど(ゴメン)

結構面白いと。でも…

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170425-00000030-sph-ent

「嵐」相葉主演の月9ドラマ「貴族探偵」第2話8・3% 初回から3・5ポイントの急落 

Yahoo!のコメントも手厳しい意見ばかり。なんでこんなに面白くない意見が多いかな(笑)

相場君の演技が酷評され、ミスキャストとまで言われてる。ビックリ私は、そんな違和感ないし、相場貴族は悪くないと思ったけどなぁ。彼の場合、演技力の点で拙さを感じるから、逆にイイなと思ったぐらいで。それは、リアルに存在しない「貴族」設定だから。リアリティを追及しなくてもノープロブレムなキャラクター。(この点IQ248とは違うと思う。)ただ、もし、相場君以外にこの貴族を演じるとしたら…やはり沢村一樹かな。それでも沢村氏だと、脇を固める俳優陣のバランスが難しい。

私が高評価をするのは、本格ミステリがどういうものか、それを一応きちんと脚本的に再現している部分。例えば2話目は原作のトリックをアレンジして色々付け加えていた。女探偵偵と貴族探偵の推理合戦の箇所。原作にない部分で、原作のトリックにまた推理を付け加える、難しい部分と思うけれど、ミステリとして完成していた。「瑕疵がない」状態。原作をアレンジしてかつ「瑕疵がない推理=傷がない推理」を見られたのは面白い。また北枕をあのように、相場君が奥さんに説明したのは、物語としてかなり上手い!と思った。


 小説を読むとよく分るが、この「貴族探偵」は「推理しない探偵」なのだ。ここがミソ。小説の特異な世界感からこのドラマを見ると、本当に見るべきもの・楽しむものは、「本格ミステリの推理思考がどういうものか」じゃないかなぁ。つまり貴族探偵は、「推理」の添え物のような存在。相場君はドラマ的に主役であって、主役ではない。相場君ファンは、もちろん彼を見ればいいのだけれど。そうじゃない方は、武井咲ちゃんと一緒に頭を使って謎を解き明かすぐらいじゃないと、楽しくないと思う。よく考えると貴族探偵の良さは、謎解きはディナーの後でとかIQのドラマのような一般的に楽しめるミステリではない世界観にある。マニア向けするような世界感。

ところが月9というのは、一般ウケする要素をたくさん入れないといけないドラマ。大衆受けしなくてはいけない、そういう宿命をもったドラマ枠。

それから考えるとやはり今後苦戦するかもしれない。ただ苦戦は、想定内だから、1中山美穂扮するメイドが、事件概況をホワイトボードで分かりやすく整理して、説明している。本格推理のハードルを下げて、視聴者にも推理しやすいように工夫したり…2武井咲ちゃんと生瀬刑事二人で息抜きタイムを設け、飽きさせないようしたり…3細部までこだわりのキャストを見せるために、仲間由紀恵を声だけで出演させていたり。4相場君には自虐的なセリフを言わせたり…4再現ドラマで松重さんにあえて女装させだり

など色んな小手先の手段をもって、視聴者ウケを狙っている。が、的を外しているみたい。頑張って欲しいんだけどなぁ。

やっぱりフジ「月9」枠と貴族探偵の相性が悪いのか。テレビ朝日で金曜か土曜の夜11時ごろから放送すると、もっとしっくりきて案外好評かもしれないのに。惜しいなぁ。

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