パソコン上達日記2

日々の雑感を戯れに綴ります

「そして誰もいなくなった」前編・アガサの名作が土ワイ仕様に

2017-03-25 21:01:10 | ミステリドラマ批評

アガサの「そして誰もいなくなった」

初の日本版完全ドラマ化、豪華キャスト・長坂脚本いうことで期待して見た。では前編の感想を。

私は昨年末のBS放送イギリス制作の「そして誰もいなくなった」を見たが、素晴らしかった。さすがイギリスはミステリの本場だなと感じた。こちらはアガサが生み出した孤島での連続殺人事件の驚愕すべきトリックより、静寂さを基調にしたセピア色のホラー、それでいてラストで唸らせるような心理劇・人間ドラマを見せた。が、日本版はどうか。何を見せたいドラマなのかという点に注目して見た。

「小さい兵隊さん」…ちょっと笑った。無理やり日本のわらべ歌にしてみました感が強く…しかも兵隊人形というよりフィギュアみたいでね。

物語は時間が限られているため、かなりコンパクトにした印象。オリジナルな部分もあるけれど、無理ない展開で分かりやすい。これならアガサ初心者でも登場人物の多いこの物語を咀嚼できる。

また豪華キャスト、・・中でも渡瀬氏の最後の作品。とても病気があった方とは思えない、その目の強さ、プロの演技を見られる。

 登場人物10人がダイニングで語る過去の逸話、これが重要な鍵なのだけど。ここでひきつけておいて…いきなり向井理が退場(殺される)してからの、スピーディな展開。アッという間に時間が過ぎる。 ただ…大地真央のあたりから、ちょっと端折りすぎか。(笑)あまりに早すぎるかも~まぁこれはこれでいいかもしれないが。時間がないのです(笑)

例えばイギリス版だと、使用人夫婦の妻が殺された後、そのあとの食事シーン、こんな台詞がある。「恐ろしい目にあったのに食事の支度などできるのか 」「いや何かをしていると気が紛れる…」といったような。ところが、このドラマでは人が次々殺されても食事が淡々と用意される、途中「食事が缶詰め」になったらしいが、これは小説の設定だろう。使用人が殺されてから誰が食事の支度をしたのか、食欲がなくなった10人の人間の姿、イギリス版では、きちんとそこを見せている、細部にこだわり整合性やリアリズム・映像美に優れたイギリス版との違いかと思う。また主演仲間由紀恵だが、前編を見た限りでは、彼女が主役のように思えない。これは登場人物キャストが豪華すぎる所以かと思われるが、イギリス版ではきちんと主役は、ラストの最大の見せ場のために、家庭教師役だとしつこいくらい演出、見せていたが。

とりあえずイギリス版では、あり得ない後半のオリジナルな部分に期待したい。まぁ全体的に結構面白かったかもという感想かな。後半は泥臭い土ワイ化した「そして誰も」が見たいな~それこそ日本版の意味がある。

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