METライブ・ビューイングの「ばらの騎士」(上演日:2023年4月15日)を近くのMOVIXで観てきた。3,700円、週末だったので30人くらいは客が入っていた。やはりシニア層が多い感じ。10時10分くらいから始まって、終わったのは2時50分くらい、全部で4時間40分の長丁場だが、好きなオペラだったのでそんなに長くは感じなかった。ただ、第1幕、第3幕は少し長すぎる感じがした。
指揮:シモーネ・ヤング(63、豪)
演出:ロバート・カーセン(69、加)
出演:
リーゼ・ダーヴィドセン(36、ノルウェー):元帥夫人(「マルシャリン」と発音、ドイツ語のようだ)
サマンサ・ハンキー(米):オクタヴィアン
エリン・モーリー(米):ソフィー
ギュンター・グロイスベック(47、オーストリア):オックス男爵
ブライアン・マリガン:ファーニナル
若干の感想を述べよう
- 前回、METオペラでこの演目を観たのは2018年8月で、2017年7月13日公演の放映だった。このときの元帥夫人はルネ・フレミング、オクタヴィアンはガランチャ、オックス男爵とゾフィーは今回と同じだった。また、演出も同じカーセン(当時は新作)。舞台演出は第1幕は覚えていたが、2幕・3幕は覚えてなくて、当時と全く同じなのか定かではないが同じであろう。演出では舞台転換などが見事であった。
- 今回の目玉はなんと言っても元帥夫人のリーゼ・ダーヴィドセンだろう。彼女を最初に見た時はまだ童顔がちょっと残った娘さんに見えたが、もう今年で36才だ。元帥夫人をやるには若干若いような気もするが、ウィキによれば、元帥夫人は32才、オクタヴィアンは17才の設定だ。当時の平均寿命で32才の女性が現代の何才くらいの女性になるのかわからないが、少なくともダーヴィドセンはその役を十分にこなせる年令になり、キャリアも十分積んできたのだろう。長身で大柄のため最初のうちは大根役者だ、などと批判する向きもあったが、この役をできるまでに成長したと周囲に見られているのであろう、立派なものだ。
- 幕間に歴代の元帥夫人を紹介する映像が流れた、その中にはルネ・フレミングも入っていたが、私が好きなエリザベス・シュワルツコフも入っていたのはうれしかった。このブログのネームは彼女にちなんだものだし、プロフィール写真は彼女のアルバムから借用したものだ。
- さらに幕間にもう一つ興味のある話が紹介された、それはこの作品にも出てきた犬(不覚にもすっかり忘れて確認するのを失念した)など動物をオペラの舞台に登場させるために動物を調教する「動物モデル事務所」が紹介されたことだ。先日、カルメンを観た時に生きた本物の馬が舞台に出たので驚いたところだった(こちらを参照)ので、興味深く見させてもらった。
- 歌手ではもう1人、ゾフィー役のエリン・モーリーもよかった、幕間のインタビューの際に、楽屋で彼女がピアノを弾きながら歌の説明をしていた、彼女は幼いころから母にピアノを習って相当なテクニックを持っているようだ。METLVではシリーズ最後の魔笛でもパミーナ役で登場する予定で既に第1回目の稽古が始まったと言っていた。是非観に行きたい。
- この映像は今年の4月の演奏だが、カーテンコール時にはスマホで写真をとっている人が目立った、これは最近の傾向だろう、大いに歓迎したい。日本ではまだまだだが、進んでそのような対応を認めてほしい。アメリカではゴルフでさえシャッター音のしないスマホでの動画撮影がずいぶん前から認められている、ファンが何を望んでいるかを考え実行する推進力は残念ながら海外の方が優れているように思う。美術館の写真撮影許可も同様だ。
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