詩・・「少し不安な朝」

2017-12-26 10:01:32 | 
       少し不安な朝

これから 何かをする 
でもない
明日の おマンマにこまる
わけでもない
どこかが 痛い
ということもない

なのに 気持ちが落ち着かない
少し不安な朝

姿のない客
理由のない問い
なんとなく 自分をせめてみたり

こんな朝がたまにある
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詩・・・明日の楽しみ

2017-12-09 14:20:04 | 
     明日の楽しみ

黒雲が白雲に押さえつけられ
二上山を越える
青空は成り行きにまかせている

新在家居酒屋セブンイレブン
缶酎ハイと鳥皮タレ串1本で
二上山と向き合う

駐車場のめまぐるしい人の出入り
車も人もおもちゃのような動きだ
生きるとはこういうことなのか

ぼくにもそんな時代があった

今の雲が行ってしまうまでもう少しか 
もういっぱいいくか
パック酒「三代」と鯖の缶詰で
二上山と向き合う

動かざるものは在るがまま
行き交うものは 様々な衣装で
今日から明日へ
地上の駐車場と
青空のハイランドパーク

明日の楽しみは
今日の楽しみのつづき



     
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心平さんの「秋の夜の会話」

2017-12-06 10:51:46 | 
扇酔ひとり言

冬が来たぞ
ああ秋が終わったなあ
あっという間だったなあ
この間ちょっといいことがあったから
それをあたためながら
冬を迎えよう
冬だぞ
冬が来たぞ


昨日からの冷たい風が止みません。ふと心平さんの詩を思い出しました。
カエルの姿がうかんできます。切ないけど好きな詩だなあ。
・・死にたくはないね・・

秋の夜の会話  草野心平

さむいね
ああさむいね
虫がないてるね
ああ虫がないてるね
もうすぐ土の中だね
土の中はいやだね
痩せたね
君もずゐぶん痩せたね
どこがこんなに切ないんだらうね
腹だらうかね
腹とつたら死ぬだらうね
死にたくはないね
さむいね
ああ虫がないてるね
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詩的空間=物と向き合う時間・・箸と豆腐・・

2017-11-29 19:01:25 | 
今夜は貧乏湯豆腐(豆腐だけ)にしたのだが、豆腐に箸をつける時に手を止めた。
友人ムッシュ・室の詩「箸」を読んだのは2ヶ月前だったのに、その時のショックがぶり返してきた。

   私たちは
   鋭利な箸先を避けて生きてきた
   それは
   世の中を受け容れる仕草に
   過ぎなかったのだろう
   豆腐の
   存在はそれさえも打ち砕く
   白い無垢だった

   どうしたらいいの

   私たちは箸を止め
   箸を失う夢を観ていた。            「箸」部分


ムッシュ・室はじっくり物と向き合う。その時間を大切にする。その中で自己の事実と真実を照応させてながら自分の存在に恐る恐る触れてみる。これは自分の立ち位置を確かめるムッシュ・室の方法であるかのようだ。
   私たちは箸を止め
   箸を失う夢を観ていた。
これは世の中に受け入れられる仕草、または世の中を受け容れる仕草の放棄を意味するのだろうか。ぼくは軽いショックを受けた。



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秋といえばこの詩です。

2017-11-11 10:57:27 | 

那珂太郎

女のながい髪の毛はなびくやなぎの波だち
それはかなしみの川のさざめきとながれて
やがて細らむ穂すすきのけむりとなり・・・・

秋はあかるい朝のなぎさのいさよふさかな
それは枯れたさんざしのさかさの影となり
うすばかげろふのうつせみの翅と透け・・・・

秋の女はゆらゆりゆれるゆりの肌のにほひ
それはとほく枯葉ふみゆく 時のあしおと
あをぞらのあてどない彼方への渇き・・・・

                         〈現代詩文庫〉続・那珂太郎詩集より

もうずっと昔からこの詩を暗唱している。何度か朗読もしてきた。この詩の1行1行が憧れの風景、心満たされる情景なんです。秋は「あをぞらのあてどない彼方への渇き・・・・」なんです。
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