多摩三郎こと高木秋尾氏は自らを多摩川辺りに出没する蝦蟇(がま)とも鵺(ぬえ)とも自称する。詩人は三つの個人誌を発行している。自由律俳句誌「水馬」(みずすまし)二行詩誌「双」
詩誌「鵺」、一誌に纏めたらという声があっても、「今のところそれぞれの呼吸でやっているので、このペースは保ちたい。これでいいだろうと思ってやっている。」というのが高木氏のアイデンティティーであろうと思う。この考え方にぼくは勇気づけられている。
「双」のなかにおもしい詩があったので紹介します。
パッション
火と水を両掌に持っている
燃え上る前に消し止める 岡田恵美子氏
勤勉
やがて人は勤勉に更地に
人の体温積んでゆくだろう 加藤知子氏 「体温」より
破行の考察
葉
すべて散った
諦らめの糸引く落葉
火
燻り残るもの
病葉と落葉の葉罰争い燃えて
歩
足ぶみの含み笑い
連続すると浮力が萎える
屁
驚きと遜(へりくだ)りの隠語
最後っ屁って 気化する涙だよ
放
天敵から解き放たれて 吐息
波に帆たてて 荒 えっさ 放 高木秋尾氏
高木氏の「破行の考察」は、は・ひ・ふ・へ・ほから成っている。言葉遊びだがそれだけではない。一行を破壊する、破裂させるという意図がある。「破行」とは破壊行為の略とみる。そののちに引き合う言葉の力によって新しい意味の関係(おかしみ、うら等)を体験することができる。<最後っ屁って 気化する涙だよ>なんて笑っちゃうけど新鮮だなあ!
詩誌「鵺」、一誌に纏めたらという声があっても、「今のところそれぞれの呼吸でやっているので、このペースは保ちたい。これでいいだろうと思ってやっている。」というのが高木氏のアイデンティティーであろうと思う。この考え方にぼくは勇気づけられている。
「双」のなかにおもしい詩があったので紹介します。
パッション
火と水を両掌に持っている
燃え上る前に消し止める 岡田恵美子氏
勤勉
やがて人は勤勉に更地に
人の体温積んでゆくだろう 加藤知子氏 「体温」より
破行の考察
葉
すべて散った
諦らめの糸引く落葉
火
燻り残るもの
病葉と落葉の葉罰争い燃えて
歩
足ぶみの含み笑い
連続すると浮力が萎える
屁
驚きと遜(へりくだ)りの隠語
最後っ屁って 気化する涙だよ
放
天敵から解き放たれて 吐息
波に帆たてて 荒 えっさ 放 高木秋尾氏
高木氏の「破行の考察」は、は・ひ・ふ・へ・ほから成っている。言葉遊びだがそれだけではない。一行を破壊する、破裂させるという意図がある。「破行」とは破壊行為の略とみる。そののちに引き合う言葉の力によって新しい意味の関係(おかしみ、うら等)を体験することができる。<最後っ屁って 気化する涙だよ>なんて笑っちゃうけど新鮮だなあ!