幻を書く
幻を見るのも聴くのも
それはおれの
気分しだい なのかもしれない
生死についても
気分しだいなのであろう
なにも仰々しく
書くこともないのである
モノに寄せてこころを書く
しちめんどうくさいことに凝ってしまったものだ
あげくのはてが
幻に寄せてこころを書く
酔狂なことに慣れてしまったものだ
滝壺に沈んだ水は
そんなおれをあざ笑うかのように
反転して浮き上がると
なにごともなかったかのように
ふたたび海に向かって
悠々と流れていく
したたかな水の声は聞こえたろうか *
流れているのだ
書くことなんかやめて
こころの声を聞いてみたい
* 埋田昇二氏の詩集「気まぐれな神」所収「滝」より
幻を見るのも聴くのも
それはおれの
気分しだい なのかもしれない
生死についても
気分しだいなのであろう
なにも仰々しく
書くこともないのである
モノに寄せてこころを書く
しちめんどうくさいことに凝ってしまったものだ
あげくのはてが
幻に寄せてこころを書く
酔狂なことに慣れてしまったものだ
滝壺に沈んだ水は
そんなおれをあざ笑うかのように
反転して浮き上がると
なにごともなかったかのように
ふたたび海に向かって
悠々と流れていく
したたかな水の声は聞こえたろうか *
流れているのだ
書くことなんかやめて
こころの声を聞いてみたい
* 埋田昇二氏の詩集「気まぐれな神」所収「滝」より