虫
巨大な虫が動き回る
ごみ山を築き
がぶりと銜えて
頑丈なアームで
炎の釜に放り込んでいる
荒ぶる炎の轟音
何と 私たちは
この巨大な虫に頼らなければ
生きていけなくなっている
もの言わぬ人形
コンピューター制御のショベルカーに
人の心などあろはずがないだろう
ごみ山の中に埋もれている人形を避けるように
山を崩しているなんて
私の思い過ごしだ
きっと可愛がられていたのだろう
〈もの言わぬ人形片足取れて〉
と歌った古い友人はどうしているのだろう
大切なものを忘れたのではない
いつのまにか
ものを大切にする心を失ってしまっている
これも何年か前に書いたものです。ごみ処理場で感じたことです。
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