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陽が暮れて、街に明かりが灯る。新発田の繁華街には多くの店がある。地方都市特有の事情として、夜にならないと実際にどの店が営業しているのか分からない。この日は金曜日(しかもバレンタインデー)。でも新発田の繁華街は通常営業で、そういう華やかさとは無関係に淡々としている。まずは居酒屋的な店で一杯やった。まあ普通に美味しい店だった。でもその店は喫煙可能店で、後から来た常連客が考えられないくらいの量のタバコをプカプカし始めた。往時のチェーンスモーカーだった僕であればそれに対抗できたが、タバコを辞めて15年にもなる。まだ数回しか来ていない新調したアウターがタバコ臭くなり、気分がブルーになり撤退した。なんか嫌な展開だ。幸い、折角の時間を台無しにしないようにアンガーコントロールはしっかりと効いている。
次はジャズ喫茶に行こう。時刻は午後7時。既に夜の部がオープンしているはずだ。ここも喫煙店で煙だらけだったらどうしよう。そんな心配をしながら店に向かう。結果時に心配は杞憂に終わった。だってジャズ喫茶「バード」は営業していなかったから。特に張り紙もなかった。この夜のメインイベントなのに・・・。まあジャズ喫茶では割とよくある話なので、ここでも僕は感情をコントロールした。近くにはクラシック喫茶があった。ジャズ喫茶であればどんな店でも入ることが出来るのに、クラシック喫茶には尻込みして入ることは出来なかった。ジャズ喫茶であればビールとかウイスキーを頼むことが出来る。それをクラシック喫茶でやったら白い眼で見られるかもしれない。そもそもアルコールなどないかもしれない。今にして思えば入店して確かめれば良かった。
さて、そんなわけで新発田の夜は瓶ビール1本(サッポロ赤星!)、日本酒1合というささやかな飲酒量で終わった。かつてこの地で心房細動が発症したことを考えれば、自制せよという天の声かもしれない。とぼとぼとホテルに歩いて帰る。途中、煌々と照明が眩しい建物は市役所だった。新発田市役所は夜も開いていて、オープンスペースで寛ぐ人がいる。スタバ的な位置づけだと思う(多分)。そして振り返れば、アーケード商店街には闇に浮かぶ異空間のように見えた。要約すれば、お目当ての店は閉まっていて、偶然入った居酒屋は煙草の煙だらけで、十分な酒も飲めず早々に撤退した。それだけの話である。でも決して悪くない夜だったような気がする。終わり。
X-T5 / XF23mm F2R WR
北前船精神残存ですかね
丁度、魚河岸市場で職人さんが行く食堂ではトンカツが人気みたいな・・・。
もしかしたら九州ブランドとか商人が強いとか?