僕の屋根裏部屋で寛ぐ猫。屋根裏部屋は、夏は暑くて大変だ。でも冬は暖かい空気が昇ってくるし、それでも寒ければコンパクトなヒーターでも付ければ良い。天井が低く、部屋が狭い分、すぐに暖まる。夜、ここで僕が何かをしていると、音もなく猫が上がってくる。置いていたクッションは猫が爪を立てるのでボロボロになってしまった。そのボロボロのクッションが何故か猫のお気に入りで、抱きついて蹴りを入れたり、時にはクルクルと器用に回したりする(ハムスターの車輪のようだ)。この部屋では、猫はリラックスしているように見える。最後の一枚は、「カラマーゾフの兄弟」である。原卓也先生訳の新潮文庫の年代物だ(亀山先生訳のものもある)。この文庫本の「しおり紐」が猫のお気に入りで、何故か他の本の紐よりも喰いつきが良い。猫の名前は「銀次郎」だが、当初名前を付けるときの案に「スメルジャコフ」があった。スメルジャコフは、カラマーゾフ3兄弟の腹違いの末っ子(私生児)であり、カラマーゾフ家の使用人でもある。ここでは説明できない興味深いキャラクターである。饅頭の薄皮からたっぷり詰まった餡子が空けて見えるように、人間の負の側面を薄皮で包んでいる。滅多なことでは餡子は漏れないが(認めない)、一方でそこに負の餡子がたっぷり詰まっていることを隠そうともしない男である。
話がずれてきた。そんな名前はあんまりだと早々に却下され、最終的には「銀次郎」とした。その銀次郎が「カラマーゾフの兄弟」の文庫本(の紐)が好きなのは因縁を感じる。
X-PRO3 / XF35mmF1.4R
「スメルジャコフ」と「思い切りロシア人の姓!?」という語が題に在ったので、記事を興味深く読んで、写真を愉しく拝見しました。
2枚目の画が、何か「安心出来る場所でゆっくりと寛ぐ」という表情で、凄く好いと思いました。そして新潮文庫に特徴的な、あの栞の紐を咥えている3枚目も笑いました。読書に倦んだ小さい子どもがやりそうです…或いは、寛いで趣味に興じる等されている場所であるが故に、寛いだ感じが銀次郎君にも伝わっているのかもしれませんね。
「スメルジャコフ」はドストエフスキー作品の劇中人物の名でしたか…「スルメガスキー」(スルメが好き)という程度の名なら、御家族の皆様も反対はされなかったと勝手に思いますが、「スメルジャコフ」は「如何にもドストエフスキー作品の重々しい感じ」を想わせて、やや親しみ悪いかもしれませんね。
ロシア文学関係…自身はチェーホフ作品を好みますね。
それにしても「馴染んでいる、家族同様の愛猫ならでは」という愉しい写真でした。
間違いなく猫です
「スルメがスキー」には笑いました。
僕はドストエフスキーが好きなんです。好きというより、あの世界に引きずり込まれるような感じです。
日本でいえば、江戸から明治初期の作家ということになりますが、そういう古さは全く感じません。
でも猫の名前には確かに合いませんね(笑)。
でも意外と「訳あり顔」をしている時は何も考えていなくて、「無邪気」」の時は何かを企んでいる可能性もあるので注意したいと思います。間違いなく猫ですから(笑)。