祖父母の家が商店をやっていた。異様に間口が広かったことを覚えている。そこに何枚もの木製のガラス引戸が付いていた。出入り口となっているので、多分6~8枚の引き戸が常に開けっ放しだった。馴染み客も、旅人も(伊豆なおで多い)、近所の人も自由に出入りをしていた。物理的なセキュリティは無いに等しかったが、特に大きな問題も発生しなかった。大らかな時代だった。当時の思い出があるせいか、ガラス引戸の木造住宅を見ると郷愁に誘われる。そういえば「木製ガラス引戸」、表現として即物的過ぎるが、別の名称があるのだろうか。明確な名称がないのに、誰もが懐かしいと感じる不思議な扉である。
さて、今回の写真は先々週の岩手への旅で行った「浄法寺町」のものだ。天台寺のある町だ。しっとりとした雰囲気の町である。この時は強い光を写真的に処理し切れなかったことと、ブログ記事にあまりに同じような写真が連続していたので、不採用となった。でも一枚目の建物が大好きなのだ。今回ボツから復活させた。それにしてもカメラ(ライカM10モノクローム)の画像が凄すぎて、感服した。
LEICA M10 MONOCHROME / APO-LANTHAR 35mm F2 VM
それにしても本当に全く人が歩いていないんですよね。
多分、週末は郊外のショッピングセンターとかに行くのでしょうか。
でも人の生活の匂いと気配は濃厚にあるところが、地方の小さな町の良いところですよね。
でも見えることで、逆にセキュリティに寄与したこともあるのかなとも想像しております。
締め切っちゃうと、中の様子が分からなくて、かえって危険とか。