No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

春の山形・村山路④~それでも待ち続ける猫

2023-03-16 | 街:山形



山形県の東根市。昨日も掲載したが、かつて栄えた繁華街は廃れつつある。ピーク時の姿を留めたまま朽ちた建物も多く見かける。ある一軒のスナックの前に枯れ草の山が出来ていた。何気なく見ると驚いた。その山に埋もれるように猫が休んでいた。猫は毛がほつれにほつれ、相当に汚れていた。かといって今にも死にそうな感じではない。栄養もある程度は足りているようだった。雰囲気からして根っからの野良ではなく、どこかで飼われていた猫に違いない。この姿になるまでは、少なくとも年単位の時間を過ごしているだろう。もしかして、このスナックのママさんに飼われていた猫かもしれないと思った。ママさんの猫かどうかは別にして、少なくとも猫は店の前で誰かを待っているように見える。その姿を見て僕は言いようのない哀しさを覚えた。虚に開いた眼で、猫は何を見ようとしていたのだろうか。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR

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8 コメント

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好影響?悪影響? (ZUYA)
2023-03-16 09:30:30
あはは...6x6さんのブログを見るたびに旅に出たくなる小生...

逆に小生のブログを覗くと“禁酒中”の6x6さんは呑みたくなるのでは...

来週、天候次第ですが、旅に出ます。でも6x6さんなら雨でも上手く写真を撮りそうですね~
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おはようございます(^^♪ (のり)
2023-03-16 09:37:44
枯れ枝の上は多少温もりを感じることができそうですが、うらぶれた姿が哀しいですね。でも、どっこいシブトクここで生き抜いていくのでしょう・・・
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種族は違えど… (ななもりうぃるまま)
2023-03-16 15:43:26
猫だから犬だから…人だから…という括りで物事考えがちですが、
皆、考え意識しその場所に居る…事を思うと、
この黒猫さんの瞳の奥の「想い」をついつい想像してしまいますね…。
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Unknown (takuya979)
2023-03-16 22:43:38
本日偶々、芥川龍之介「お富の貞操」を読んだところでした。
お上さんと(想像上の)ママさんが重なりました。
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ZUYAさん (6x6)
2023-03-17 06:17:01
ZUYAさんのブログを見て、いつも自分がミュージシャンだった姿を妄想しています。そしてご明察通り、今は危険図書扱いで、お酒の記事に肝臓がよだれを垂らしています(笑)。でも飲んだら止まらないし・・・。
とにかく良い旅を!。
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のりさん (6x6)
2023-03-17 06:17:31
雌猫だとしたらお嬢様だったと思うのですが、よくこの環境を生き抜いていると感嘆の思いです。頑張れよ、そう言ってあげることしかできませんが・・・。それにしても枯れ枝、自分で集めたのか、誰かが置いてくれたのか、自然のいたずらか。不思議です。
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ななもりうぃるまま さん (6x6)
2023-03-17 06:18:06
おはようございます。
忠犬ハチ公の猫版なのか、あるいはここが自分の場所だと思っているのか。
本当のところはわかりませんが、おっしゃる通り、ここにいる理由があるのですよね。
意味ありげな眼を見ると、どうしても感傷的に・・・。
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takuya979さん (6x6)
2023-03-17 06:20:35
昔、青空文庫で芥川は、ほぼ全作読んだはずなのですが、もうすっかり忘れてしまい・・・。
「お富の貞操」。読んでみます。どんなおかみさんか楽しみですな。
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