ビゾフレックス(typ020)とは、ライカ純正の外付け「GPS機能付きの電子ビューファインダー」のことである。写真を掲載したが、カメラの上部についている丸い筐体部分がそれである。カメラの付属物ではなく、オプションの別売品だ。ライカM型カメラは、レンジファインダーという独特の光学方式でピント合わせを行う。この方式にはメリットもあれば、デメリットもあるが、僕はゾッコン惚れ込んでいる。M型ライカを使うということは、レンジファインダーを使うことなのである。そのM型ライカにビゾフレックスを付けると、電子ビューファインダーを通じてミラーレスカメラのように使うことが出来る。加えてGPS位置情報を記録することが出来る。レンジファインダーという普通じゃないカメラを、普通のカメラに変身させてくれる(だけの)オプションである。何か根本的に間違っているオプション品のような気もする。レンジファインダー原理主義者にとっては相入れないアイテムとも言える。僕も正直どうかなあと思っていたが、次の3つの理由から導入することにした。
①町の写真を撮るので、位置情報を付加して地図にプロットしたい(フジのカメラでは実践済み)。
②今後広角レンズや距離計非連動のレンズを導入した際に外付けファインダーとして活用できる。これ一つで済むので却ってリーズナルブルかも。ちなみにライカ純正24mmの外付光学ファインダーは、ビゾフレックスの2倍以上の価格である。
③視力に自信がなくなっているので、これを使えば猫を近接距離で撮るときに正確なピント合わせ可能となる。
②と③は「こじつけ」の理由で、本当のところは①のGPS位置情報が目当てだ。この位置情報があれば、どれだけ写真の整理が楽になるか。「山形コンプリート」の整理の際に痛感した。ところが実際に使ってみると、ビゾフレックスのGPS補足能力は驚くほど低い。まじ??というレベルである。控えめにいって、ごく稀に補足することがあるレベル。はっきりいってしまえば、滅多なことではGPS信号を捕捉しない。購入から半月、GPS補足したのは合計2回だけだ。30分以上待っても捕捉せず、バッテリーがドロップしたこともある。奇跡的に補足した時も、一度電源を切るともう二度と繋がらなかった。携帯基地局の位置情報のサポートを受けるスマホと異なり、GPS信号を補足するのに時間が掛かることは想定していた。でも現実は想定を遥かに超える(低)レベルだった。とても実用などできない。言っておくが、2階建て以上の建物がない田舎の見晴らしの良いところでも繋がらないし、半径30mに建物が一切ない広場でも繋がらないののである。この恐るべき性能のビゾフレックスは7万円以上したことも付記しておく(カメラではなくファインダーの価格です)。その7万円でGPSを確実に補足できるカメラ自体が購入できるだろう。いまは点検確認のためライカカメラジャパンに旅立っている。果たして初期不良だったのか、(そもそも)そういう仕様なのか、判定を待ちたい。GPSが役に立たないのであれば、多分買わなかったアイテムなので、残念すぎる。日本メーカー製であれば、発売が許されなかったと思う。ドイツ人は日本人を舐めているのだろうか?。M型ライカは、素のまま使えば最高のカメラなのだが・・・。一応フォローしておくと、外付ビューファインダーとしては使えます。ビゾフレックスは多分日本のメーカーの製品をライカブランドで販売していると思われるけど、何故こんなことになるのだろう。
追伸:帰ってきました。結論としては、完全動作品と僕の個体との間に目立った差異はないようだった。若干だけGPSの補足能力が弱いとも言えなくはないとのこと。結果、商品はライカカメラジャパンにて開封動作確認した新品と交換された。そこまでは求めていなかったけど、「購入直後の品物だし、このまま疑念を持ったままお使いになるより、その方がベターと判断した」とのこと。丁寧な対応には感謝する。その後、携帯電話との干渉など色々なテストをしているけど、やはり「殆どGPS位置情報は使えない」ことに変わりはない。
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