「ピラミッドって、あんた・・・。月刊ムーかよ?」。そう思った貴方、その通りである。ここは秋田県鹿角市にある黒又山である。一時期、月刊ムーでも特集された。すぐ近く(数キロ先)には日本のストーンサークルと言われる「大湯環状列石」がある。かつて金鉱山として栄えた尾去沢鉱山にも近い。周辺には山の発光現象などの伝説が数多く残る。尾去沢鉱山の伝説では「巨大な鳥」が墜落し、その内部から大量の金があったことから鉱山の存在が知られたという伝えもあり、これがUFOなのではないかという説がある。「大湯環状列石」は、その基地的なものだったと言われもする。
黒又山を1990年代に学術調査したところ、縄文後期の土器などの遺跡が大量に発見された。更に地中レーダー調査により、山腹内部に階段状の人口構造物らしきものがあることも分かっている。それは紛れもない事実である。日本にピラミッド伝説が数多くあれど、ここまで学術的な裏付けがあるケースは他にない。ここから更に夢を膨らませたいところだが、流石にオヂサンとなった僕は宇宙人ピラミッド説を真顔では主張できない。大湯環状列石も含め、何らかの宗教的儀式の場であった。そこは確信している。祭壇としての機能を持つため、原始的な土木工事が行われたことも間違いないだろう。その黒又山の麓に行くと、空気が周囲と明らかに異なる。聖なる雰囲気を確かに感じた。山頂までは、十分程度で行けるという。でも冷やかしで行く場所ではないと思い、見上げるだけで帰ってきた。
X-PRO3 / XF16-80mmF4 R OIS WR