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宮城県の大きな港町。その高台にあった床屋さん。廃業してから、それなりの時間が経っている。港町は東日本大震災によって壊滅的な打撃を受けた。この地区は港から真っ直ぐに坂道を登った高台にある。その急な坂道が津波を遮り、殆ど被害はなかった。だから地区の様子は何も変わっていない。一方で壊滅的な被害を受けた港町は、復旧から復興、そして再開発へ向かい、大きく変貌を遂げた。今では近代的な町並みとなって復活している。清潔でお洒落な商店が並び、人の流れも活発になった。坂の上では時間が止まったままであり、その対比は哀しいほどだ。
その昔。大型漁船が大挙入港し、ぞろぞろと海の男たちが坂の下の銭湯に身を清めに来た。そしてこのBARBERでさっぱりと整髪したのだろう。かなり古い建物にBARBERの文字。そこからそんな想像ができる。男たちはその後、久しぶりの陸地での夜の饗宴を楽しむのである。その楽しみの場所が明日の写真となる。
LEICA M10 MONOCHROME / Summicron M35mm ASPH
興味深く写真を拝見し、記事を拝読したところです。
写真を観て、「少し栄えた時期を経て、やや退潮した感の街で、往時を思わせる場所」というように思いました。漁業基地としての色々な変化を経験している街ですね。何か、往年の或る時期に、行き交っていた人達の様子が想像出来るような気がしました。
そして記事を読みましたが、大きな災害に見舞われた街の、被害を免れた場所という経過も在った訳ですね。期せずして「災害以前を静かに伝えている」という不思議な場所ということになると思います。
こういう古いモノは「如何する?」ということになって、長い時間が何時の間にか経ってしまうものだと思います。この種のモノは「火災でも発生した際に危険…」ということも在ると思います。
興味深い記事に感謝!!
今では壊滅した場所は復興し、この場所は忘れ去られたようにそのまま。それだけに海の男たちの思い出を保持しているような気もします。
追伸:飲食店も何も営業している店は皆無でした。いずれ再開発の波が来ると思います。