天下分け目の次期衆院選は、第3極の動向がカギを握るが、小政党が乱立しており、どのような枠組みで民意を問うのかが見えない。
「消費税」「脱原発」「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)」などの政策をめぐる違いに加え、個人的愛憎や選挙に有利か否かという計算も大きい。
ここに来て、石原慎太郎代表の「日本維新の会」と、渡辺喜美代表率いる「みんなの党」の関係悪化も浮上した。相関図をもとに、連携の形を探った。
第3極は、別図のように、大きく2つにわけられる。
左側の「消費税地方税化」「脱原発」「TPP推進」を掲げる、石原氏の維新を中心とする集団が1つ。右側の「消費税増税凍結」「脱原発」「TPP反対」を掲げる、小沢一郎代表率いる「国民の生活が第一(生活)」など、一部で「第4極」と呼ばれる集団がもう1つだ。
まず、左側を見ると、関係悪化が浮上した維新の石原氏と、みんなの党の渡辺氏の父、渡辺美智雄元副総理は、自民党のタカ派集団「青嵐会」を立ち上げた盟友。維新代表代行である大阪市の橋下徹市長と渡辺氏は個人的なつながりはさほどないが、政策ブレーンは共通している。
維新の石原、橋下両氏で意見が割れたのが、名古屋市の河村たかし市長率いる「減税日本」との連携。石原氏は16日に減税日本との合流方針を決めたが、翌日、橋下氏ら維新幹部に猛反対されて断念に追い込まれた。
在阪ジャーナリストは「石原氏と河村氏は一橋大OBで『石原首相誕生』のために大同団結を狙っていた。一方、橋下氏らは組織のガバナンスを重視し、河村氏の民主党時代の暴走などから、『受け入れられないし、組めば選挙にマイナス』と考えていた」という。
右側のキーマンは、生活の小沢氏。陸山会裁判で無罪が確定した19日、「今週、来週いっぱいは連携の道を探っていきたい」と、幅広い勢力結集に意欲を示した。
生活は、鈴木宗男代表の「新党大地・真民主」と選挙協力を決めている。谷岡郁子共同代表の「みどりの風」や、民主党を離党した山田正彦元農水相と国民新党前代表の亀井静香氏、河村氏らが結集した新党「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」とは主張が似ている。
小沢氏は「オリーブの木」構想を掲げ、維新やみんなの党との連携も一時模索していた。橋下氏は、小沢氏を「小沢先生」と呼び、小沢氏も「統治機構を変える点で一致している」と秋波を送った。ただ、石原氏は「小沢嫌い」で知られ、「小沢とは組まない」と明言している。
恩讐を乗り越えて結集するのは、難しそうだ。